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『ある女の家』(小野寺修二、カンパニーデラシネラ) [ダンス]

 2014年01月26日(日)は、夫婦で新国立劇場に行って、カンパニーデラシネラ初期作品の再演を鑑賞しました。小野寺修二さんを含む5人の出演者による、75分の公演です。

 舞台上には、階段式の巨大ゴミ屋敷、トレーラーハウス、枠組みだけの家といった、出演者が出入りする様々な「家」が置いてあります。他にも、テーブル、バスケットリングなど、舞台装置は多彩。

 うずたかく積み上げられたように見えるゴミ屋敷には、あちこちに仕掛けがあり、次に何が起きるか予測できないドキドキ感に満ちています。

 一貫したストーリーはなく、パントマイムの技法を様々に使いながら家あるいは家族にまつわる奇妙な出来事が描かれます。個々のシーンの面白さでつないでゆく作品で、全体の統一感は薄く、むしろ、とっ散らかった印象が強くなっています。

 「被害者」、「加害者」、「発見者」などの役を出演者が次々と交替しながら演じることで観客を幻惑するシーンなど、後の作品でも定番的に使われる演出は観ていてやっぱり楽しい。枠組みだけの家と「中の人」が連動して動くマイムも素敵でした。

 複数の出演者の一見バラバラで実は精密に組み立てられた動きが、時計仕掛けのように互いにカチリとかみ合って、パターンを形成してゆく快感。実に小野寺さんの作品らしさにあふれていて、いつも通り心踊ります。

 昨年末に梶原暁子さんが怪我のため降板したというお知らせがありましたが、そのためでしょうか、ダンスは少なめで、個人的には残念です。梶原暁子さんが豪快に踊るのを(そして藤田桃子さんと意味不明に結託するシーケンスを)観たかったなあと、そう思います。

[キャスト]

振付・演出: 小野寺修二
出演: 浅野和之、河内大和、竹内英明、藤田桃子、小野寺修二


タグ:小野寺修二
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