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『ファンタジー』(プロジェクト大山、振付・演出:古家優里) [ダンス]

 2013年07月27日(土)は、夫婦でシアタートラムに行って、プロジェクト大山の新作公演を鑑賞しました。女性ダンサー8名が踊る80分の公演です。

 前回公演『ホルスタイン』と同じく、体力自慢なダンスシーンを、くすっと笑えるコント的な演出でつないでゆき、最後は体力を振り絞るような長い群舞で終るという構成です。

 全体的に前作よりも洗練された印象で、開演20分前から舞台に登場する人魚(おもむろに胸元からスルメを取り出して食べたり)、背景として使われる浮遊クラゲのような謎のオブジェ、意図不明なことを大真面目にやって(しかもくり返したりして)観客を困惑させる演出など、個人的にかなり好み。

 二人で工事現場のノリで衝立を移動させる(背後では女性が脱衣してシャワーを浴びている)とか、床に敷いた赤い布の上で「ギエムのボレロ」ごっこ(何回もくり返す)、出演メンバーの生首オブジェごろごろ、ビジネススーツでびしっとキメた眼鏡美女が真面目な口調で「陰茎」について力強く語る(語りながら片手でハサミをこう、シャキッと)、など印象に残るシーンは前作より増えています。

 何しろ出演者たちに色気というものがなく、露出高めの奇抜な衣装でも、きわどい演出でも、ちいとも性的メッセージを感じさせず、むしろ困惑と薄笑いを誘ってしまうという、これは彼女たちの強みでしょう。

 高い身体能力と技術を存分に活かしたダンスシーン、特に群舞は爽快ですが、動きの要素がシンプルで構成が単調な(一連のシーケンスを何度もくり返す振付が多い)せいか、どうも間延びして感じられるのが残念でした。

 ラストの長丁場群舞は素晴らしく、同じシーケンスをくり返す振付がここでは劇的な効果をあげています。BATIKのように死力を尽くすにつれ凄みが増してくる、というような感じではありませんが、残り少ない体力を振り絞って懸命に踊っている感じが胸に迫ります。本日、二回目の公演なんだよなあ。

[キャスト]

演出・振付:
 古家優里

出演:
 梶本はるか、菅彩夏、西田沙耶香、長谷川風立子、松岡綾葉、三浦舞子、三輪亜希子、古家優里


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