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『どこいったん』(作:ジョン・クラッセン、訳:長谷川義史) [読書(小説・詩)]

 「ぼくのぼうし どこいったん?」
 「し、しらんよ。なんで ぼくに きくん? ぼうしなんか どこにも ないで。ぼうしなんか しらんで。ぼうしなんか とってへんで。ぼくに きくのん やめてえな」

 お気に入りの赤い帽子をなくしてしまった熊が、帽子について様々な動物に尋ねてみますが・・・。コミカルな絵と関西弁が楽しい絵本。単行本(クレヨンハウス)出版は、2011年12月です。

 愉快な動物絵本です。お気に入りの赤い帽子を捜して色々な動物を尋ね歩く熊。絵柄はまったくもって写実的ではなく、動物はみんなコミカルな造形になっています。鹿もモグラも、しっかり二本足で立ってるし。

 なぜか文章はすべて関西弁で訳されており、それが漫才のような雰囲気を醸しだしています。

 「ぼくのぼうし どこいったん?」、「ぼうしって なんや?」、「もう ええわ」。

 漫才といえば、途中で出会うウサギが、赤い帽子をちゃっかりかぶっているのが絵に描かれているのです。あからさまに挙動不審な口調で「し、しらんよ」としらを切るウサギ。「ふーん、さよか」で済ませて何も気付かずに立ち去ってしまう熊。

 このボケ、子どもは絶対笑うと思う。しかし、最後のきっついオチは予想できまい。私もこれは予想外で、思わず「そうきたかー」と。

 というわけで、とぼけた関西弁をしゃべる動物達が繰り広げる漫才のような絵本です。子ども達のウケを狙うなら、この一冊。


タグ:絵本
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