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『動物の○(どうぶつのえん)』(振付:伊藤千枝、珍しいキノコ舞踊団) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 2012年12月09日(日)は、夫婦でVACANTに行って珍しいキノコ舞踊団の新作公演を鑑賞しました。狭い倉庫のような空間で4名のダンサーが踊る(天丼も喰う)1時間ほどのこじんまりとした公演です。

 何といっても観客との距離が極端に近い。すぐ目の前で踊るどころか、観客と観客の隙間に踏み込んできて踊る。下手に身動きでもしたら、山田さんにはたかれるかも、篠崎さんに蹴飛ばされるかも。

 開演前からメンバーが観客に混じって雑談したりと、物理的距離だけでなく心理的距離も極端に縮めてきます。くつろぐー。私たちが観た回は児童OKだったので、子供たちのはしゃぎ声もまたアットホームな雰囲気を盛り上げます。

 全員で組んで象さんになったり、お猿さんのようにうっきうっき跳ねたり、海の軟体動物めいたちょっとあやしい動きで魅了したり、動物をテーマにしたと思しきダンスはいつもの通り素晴らしい。

 至近距離で踊っているのを観ると、その身体コントロールの凄さに感心させられます。というか、ほんとすぐ横で手足振り回して踊るので、バランス崩されたらとても困る。もちろんそんなヘマをするはずもなく、観客も彼女たちと一緒に踊ったような気持ちになるところが素敵なんです。

 踊りながら歌う、踊りながら飲み食いする、などけっこう難しそうなシーンも印象的ですが、電飾つけて階段からじわじわ顔を出す、飲み食いダンスの後で床を丁寧に拭き掃除する、など伊藤千枝さんのどうということもないパフォーマンスがなぜか強烈に記憶に残っています。

 何だかあっという間に終わってしまって心残りな、至福の1時間でした。今年、最後に観た公演がキノコでほんと良かった。

[キャスト]

構成・振付・演出: 伊藤千枝
演出補: 小山洋子
出演: 山田郷美、篠崎芽美、茶木真由美、伊藤千枝


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