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『絶交わる子、ポンッ』(康本雅子) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 2012年07月01日(日)、シアタートラムで康本雅子さんの新作公演を鑑賞してきました。意味不明ながら妙に気になるタイトルに、「わる子」ちゃんがポンっと絶交しちゃう話なのか、それとも絶えず人と交わる子がポンッと生まれちゃう話なのか、ついつい考えてしまいますが、それは罠。

 康本雅子さんと男女混成七名のダンサーが踊ります。テーマは性愛。あるいは、放射精ストロングチンコ90。

 いかにも思春期っぽく悩める振付から始まって、次第に大人っぽいシモネタに走り、だんだん切実なエロになってきて、ついに出産に至るという、裏筋とおって半生駆け抜けるような舞台です。

 滑稽なシーンが多いのですが、全体を切実な雰囲気が覆っているためか、あるいは思わず自分の体験思い出し身につまされちゃった観客が多いせいか、ほとんど笑いは起きません。

 同じ動作や同じ言葉を延々と繰り返してゆくうちに次第に抜き差しならなくなって絶叫号泣、といった振付が目立ち、普通にがんがん踊っちゃうシーンは少なめ。

 ラスト近く、それまでの馬鹿げたシモやらエロやらが、不意に痛切なものへと昇華するのですが、その後に用意されているシーンが素晴らしい。まず出演者全員が次々と踊るシーン、そして半減期長そうな降下物のなか踊る康本雅子さんのソロ。ここ、個人的にしびれましたね。

 というわけで、我が道を行く康本雅子さんの心意気に打たれる公演でした。

[キャスト]

振付・出演: 康本雅子

出演: あらた真生、遠田誠、菊沢将憲、小山まさし、下司尚実、鈴木美奈子、泊麻衣子


タグ:康本雅子
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