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2011年を振り返る(3) [随筆・詩] [年頭回顧]

2011年を振り返る(3) [随筆・詩]

 2011年に読んだ随筆と詩集のうち、印象に残ったものについてまとめてみます。なお、あくまで「2011年に私が読んだ」という意味であって、出版時期とは必ずしも関係ありません。

 随筆ですが、まずは翻訳家という人々が何を考えているのか、どのような人生を送っているのか、読者に垣間見せてくれた、鴻巣友季子さんの『全身翻訳家』が素敵でした。

 穂村弘さんは、とぼけたユーモアと鋭い言語感覚で読者を笑わせる『絶叫委員会』と『君がいない夜のごはん』で強烈な印象を残してくれました。

 金井美恵子さんは、その高い教養と超絶文体から繰り出される辛辣な毒舌が冴え渡る『猫の一年』と『日々のあれこれ 目白雑録4』で色々となぎ倒してくれた感が。

 町田康さんは、犬がかわいいかわいいということを書いた『スピンク日記』と、猫がかわいいかわいいということを書いた『猫とあほんだら』で、パンク魂も犬猫にはかなわないということを明らかにしてくれました。

 他には、社会運動家として女傑っぽいイメージがある雨宮処凛さんの実態がよく分かる『小心者的幸福論』、ごく日常的に怪異と接している作家たちによる身辺雑記なのか実話怪談なのかよく分からない『もしもノンフィクション作家がお化けに出会ったら』(工藤美代子)と『猫怪々』(加門七海)がすさまじきもの。

 今年は、いまさらのように現代詩を読み始めた年でした。入門書として『詩を読んで生きる  小池昌代の現代詩入門』に感銘を受け、基礎教養として『通勤電車でよむ詩集』(小池昌代:編著)、『名詩の絵本』(川口晴美)、『名詩の絵本II』(川口晴美)で古今東西の名詩をざっと勉強。

 個人的にハマったのが、四元康祐さん。『言語ジャック』が素晴らしくて、慌てて『四元康祐詩集』、『妻の右舷』、さらには前述の小池昌代さんとの共著『対詩 詩と生活』(小池昌代、四元康祐)、田口犬男さんとの共著『対詩 泥の暦』(四元康祐、田口犬男)という具合に読みまくりました。

 町田康さんは、『残響  中原中也の詩によせる言葉』で中原中也がいかにパンクであるかを、粕谷栄市さんは『遠い川』で歳をとること死ぬことについて、教えてくれました。

 他に、『スウィートな群青の夢』(田中庸介)、『わたしの好きな日』(和田まさ子)、『宝物』(平田俊子)にそれぞれ感銘を受けました。

 最後に、詩集というよりいわゆるひとつのポエムですが、『choo choo 日和 愛のマタタビ。』(イラスト:Jetoy、文:こやま淳子)は、センスのいい猫イラストと、ちょっと毒のある文章がよくマッチしていて、好感が持てました。というか、choo chooブランドの文具を買いまくってしまいましたよ。


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