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『くるみ割り人形 The Nutcracker』(吉田都、英国ロイヤルバレエ) [映像(バレエ)]

 2009年末に行われた英国ロンドン公演の記録映像です。何といっても、吉田都さん引退直前に収録された、彼女が英国ロイヤルバレエで踊った最後のシュガープラム。必見です。相手役は引退公演『ロメオとジュリエット』で吉田都さんとペアを組んで喝采を浴びたスティーヴン・マックレー。

 吉田都さんは記録映像に恵まれているダンサーとは云えないのですが、なぜか『くるみ割り人形』はこれを含めて三種類が市販されています。どれも素晴らしいのですが、何といっても本作が完成版ともいうべき出来ばえ。

 その動きは正確無比にして限りなく優雅。指先や目線まで、すべてが気品と威厳に満ちています。それを支えるスティーヴン・マックレーも若いのに上品でスマートな王子を踊っていて、たいそう好感が持てます。

 二幕の後半「葦笛の踊り」のシーンに、第36回ローザンヌ国際バレエコンクール(2008年)でスカラシップ賞と観客賞をとった高田茜さんが出演しています。彼女は2009年11月に収録された『LIMEN』に出演しているのを市販映像『Three Ballets By Wayne Mcgregor』で観ることが出来るなど、出演機会が多く、映像運にも恵まれているようで、これからが楽しみ。

 そして『花のワルツ』には、崔由姫(チェ・ユフィ、Yuhui Choe)、小林ひかる、蔵健太の三名が出演しており、これまたとても嬉しい。崔由姫さんが群舞の一人という扱いなのにはちょっと不満ですが。

 ブルーレイ版なので映像は鮮明で、背景の細かい造作までくっきりと。

 というわけで、吉田都さんのファンはもとより、彼女の引退公演を観て、スティーヴン・マックレーとの共演をもっと観たいと思った方、英国ロイヤルバレエ団が好きな方など、ぜひ観ておくべき一枚。バレエ鑑賞が未経験という方にも入門用としてお勧めなので、今年のクリスマスにちょっと観てみてはいかがでしょうか。


『The Nutcracker』
収録: 2009年11月26日、12月2日。ロイヤルオペラハウス、コヴェント・ガーデン

[キャスト]

ドロッセルマイヤー: Gary Avis
クララ: lohna Loots
くるみ割り人形: Ricardo Cervera
シュガープラムの精: Miyako Yoshida
王子: Steven McRae


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