SSブログ

『トンデモ本の世界X』(と学会) [読書(オカルト)]

 と学会結成20周年公式記念本『トンデモ本の大世界』に続き、新たな読者を獲得すべく世に放たれたと思しき、初心者にも優しいトンデモ本入門書、エックスついに刊行。単行本(楽工社)出版は2011年7月です。

 あまりにも怪しげな本、ちょっとあたまおかしい本、人前で話題にしてはいけなさそうな本、突っ込まずにはいられないズレた本。それらをジャンルを越えひっくるめて「トンデモ本」と命名し、軽快に笑い飛ばしてしまう。それがトンデモ本の世界シリーズ。

 最新作エックスでは、「ベストセラー本」、「陰謀論」、「オカルト本」、「超科学本」、「偽史本」、「ぶっとびフィクション」といったジャンルに分けて、トンデモ本約20冊を面白おかしく紹介してくれます。

 個人的に気に入ったものを挙げてみましょう。

 「モナ・リザ」に鏡を立てて下から見ると、何と手が四本! 「最後の晩餐」に鏡を立てて横から見ると、何とキリストが二人に! ここには恐ろしい暗号が隠されているに違いない!! という『500年の時を経てついに明かされたダ・ヴィンチの秘密』(丸山修寛)。

 龍が空を飛んだり、宇宙人に誘拐されたり、巨大三角おにぎり型の幽霊にあったり、臨死体験の後でMIB(女性だけど)が尋ねてきたり。突き抜けた超常体験の数々によって無農薬りんご栽培に成功する『すべては宇宙の采配』(木村明則)。

 東電OL殺人事件を追うベテランジャーナリストが、いつしか彼女の死の背後にある「地下茎のような闇のネットワーク」の存在を嗅ぎつけ、その「強い磁力のようなもの」に引き寄せられ、日本近代史の背後に隠された忌まわしい秘密を明らかにすべく取材に奔走する。何だかズレた方向に全力疾走しちゃった渾身すぎるルポ『東電OL殺人事件』(佐野眞一)。

 こういうのはツッコミを読んでいても楽しいし、おそらく原本を読んでも楽しいだろうなあ、と思います。地震兵器やら、911陰謀論やら、食品不安煽り本やら、嫌韓流やら、石原慎太郎やら、原本どころかツッコミ読んでいるだけで嫌な気分になってくるトンデモと比べて、何とさわやかなのでしょうか。

 他に、一部で話題になった原子力宇宙戦艦建造計画、大川隆法、竹内薫、ゴジラ映画の幻企画、Dr.スランプ小説版など。付録として「2010年に新聞広告を最も多く出したトンデモ本ランキング」なあんて企画あり。

 初めてぶち当たった頃の当惑や興奮はありませんが、バラエティに富んだとネタの数々を楽しめます。本当に初めての読者は、まずは『トンデモ本の大世界』を読んでみて、ああいうツッコミ芸が気に入ったら読んでみましょう。


タグ:と学会
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ: