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『銀の言いまつがい』(糸井重里 監修) [読書(教養)]

 「ほぼ日刊イトイ新聞」に投稿されたネタを集めた『言いまつがい』。その続編が金銀二冊そろって文庫化されました。単行本(東京糸井重里事務所)出版は2007年1月、私が読んだ文庫版(新潮社)は2011年5月に出版。

 誰しも心当たりのある、ついうっかりやってしまう、歳をとると増えてくるような気がする、それが「言いまつがい」。金に続いて放たれるは、こんな発言の数々。

 巣鴨「骨抜き地蔵」で起きた「おうまのおやこが仲良し殺し」事件。「人見知りの犯行」と見られ、捜査も「ここがふんどこばり」。

 大豆は何といっても「畑の豆」。「インターにゃっこ」にアクセス。「ふみりき事故」。その場には「暗黒の了解」があった。「臨終感あふれる舞台」。先行きを「安楽死している」。

 引退後は「自業自得の生活」をおくる。娘が連れてきた「どこの海の幸とも山の幸とも知れない男」。高校時代の友人はそれっきり「温故知新」。国語の先生は「四字熟女を覚えなさい」。赤ん坊の顔を見て「やっぱり××家の血を吸ってるのねえ」。

 「ハンガリー精神」でがんばる新人。ウェイトレスさんが「以上でよろしゅうござんすでしょうか」。お客様からの電話を待たせてしまい、あわてて「すまたせしましたっ」。担当者がいなくて「あいにく不在ですが、ただいま変わり者が参ります」。生年月日を確認しようとして「お差し支えなければ、お客様の賞味期限をお聞かせ願えますでしょうか」。

 こんな映画は観たくない。「シンドラーのリストラ」、「チャリティ・ウーマン」、「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰宅」、「クレイジー、クレイジー」、「クビーにめりったけ」、「マトリックス リオデジャネイロ」、「エイリアンvsアダプター」。

 例によって、もはや言いまつがいを超越したレベルの発言も。

 「あー、こっちは暑い。北極と南極くらい違うわ」

 「おお、お、お、おちけつっ!!」

 「うちの家族は、母と、父と、姉と、老婆です」

 「ウサギもちゃんとリンゴの形に切ってありますねえ!」

 「ねえねえ、来週の火曜日は何曜日?」

 またまた350ページ近い分量にこういうネタがぎっしり。たぶんネタ数は1000くらい、金銀合わせると2000を超えると思われます。笑える人と笑えない人の落差が激しいので、ここまで読んで一つも笑えなかった方は、おそらく本書に縁はないものと思われます。

 最後になりましたが、個人的になぜか最も気に入った「言いまつがい」をここで発表させて頂きます。「お茶碗持つ手が箸!」。


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