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『モリンネ』(関かおり PUNCTUMUN) [ダンス]

 2024年10月13日は夫婦で吉祥寺シアターに行って関かおりさんの新作公演を鑑賞しました。岩渕貞太さんを含む11名が出演する規模が大きい作品で、ただし関かおりさん自身は出演していません。


[キャスト他]

振付・演出: 関かおり
出演: 内海正考、北村思綺、倉島聡、小池陽香、佐藤桃子、髙宮梢、真壁遥、根本和歌菜、岩渕貞太、有明歩、吉田卓央
声の出演: 林眞暎(メゾ・ソプラノ)
指導協力: 月村萌華(ソプラノ)


 どうも人間の身体とは異なる動作原理で動いているらしい謎の生き物が意味のよく分からない動作を唐突にしたかと思うと長時間にわたってじっとしていたりする、一度観ると割と癖になる、関かおりさんの新作です。決して奇矯な動きではなくむしろこの生物種にとってはごく普通のありふれた行動なんだろうなということは伝わってくるけどわたしが見たのははじめてと感じる不思議なモーションのショーケース、みたいな。

 今作はオペラ『利口な女狐の物語』に着想を得た作品とのことですが、いつものPUNCTUMUN公演に「声」が混入されたという印象。これまでの作品のような微生物や植物、節足動物ではなく、四足歩行するなど明らかに哺乳類(女狐含む)を連想させる動きがメインとなっています。ふしぎないきもの観察タイム。ナミブ砂漠の水飲み場をライブカメラでじっと観察しているような気持ち。ただし緑の紗で囲まれた空間で踊っているので、砂漠ではなく森の中です。

 緑の紗ごしにぼんやり見える動きとその組み合わせ、気のせいなのかどうか微妙なレベルのかすかな物音、香り、そして唐突に発せられる声(たぶん鳴き声)、それらが渾然一体となって作り出す「なんかへんなもんみた」という気持ちは素晴らしく心地よく。毎回、謎めいた高揚感を覚えるのです。





タグ:関かおり
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