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『フィアース5』(カンパニールーブリエ、ラファエル・ボワテル) [ダンス]

 2021年10月10日は、夫婦で世田谷パブリックシアターに行ってラファエル・ボワテルの現代サーカス公演を鑑賞しました。代表作のひとつ『5es Hurlants』をベースにした作品で、日本のサーカスアーティストたちによって演じられます。上演時間は75分。


振付・演出: ラファエル・ボワテル
出演: 皆川まゆむ、長谷川愛実、杉本峻、目黒陽介、吉川健斗、山本浩伸、安本亜佐美


 ラファエル・ボワテルの作品は以前に『When Angels Fall/地上の天使たち』を観たことがあります。そのときの紹介はこちら。


2019年10月21日の日記
『When Angels Fall/地上の天使たち』(カンパニールーブリエ、ラファエル・ボワテル)
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2019-10-21


 『地上の天使たち』もそうでしたが、何かを必死になってなし遂げようとする若者たちの苦闘や挫折、不屈の精神といったものを現代サーカスとして表現する作品です。今回はそのものずばり、若きサーカスアーティストたちが難しいパフォーマンスに挑戦する姿が、そのまま現代サーカスとして上演されます。綱渡りやエアリアル、ジャグリングといった演目をそれぞれ対応する出演者が必死に「練習」している様に、観客は感情移入して、頑張れ頑張れと応援してしまう。バックステージもの、というかスポ根のノリです。

 照明の工夫が印象的なのも『地上の天使たち』と同様で、今回は同じひとつの舞台上で同時に起きている様々な出来事を、スポットライトの当て方ひとつで、映画のカットバック手法のように複数のストーリーとして見せるというワザが冴え渡ります。パフォーマンスに挑戦している出演者だけでなく、他のすべての出演者にそれぞれの物語があり、それぞれの苦難があり、さらに人間関係の軋轢なども感じさせる。基本的にセリフはなく、状況は観客の解釈に任されているため、断片的に提示されるシーンから様々なストーリーを頭の中で勝手に作り上げてゆくことになります。

 語りの技法としての照明だけでなく、単純にスリットを入れたスポットライトをパフォーマンス中の出演者に当てて左右に動かすとストロボ効果が生じるとか、明暗境界で激しく動くと劇的な効果が生まれるとか、照明だけで驚きが次々と生まれてゆきます。

 個人的に興味深かったのは出演者たちが車座になって色々と高速インターラクションするシーン。舞台床近くに低く配置された照明により彼らの影が背景に大きく投影され、激しい心の動きや葛藤がそのまま視覚化されたように感じます。こういう小さな動きで多くを表現しようとする試みは感動的。むしろ最後の見せ場である空中曲芸は、大仰なだけに、ややくどく感じられました。





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