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『オカルトの美術 現代の神秘にまつわるヴィジュアル資料集』(S.エリザベス:著、井上舞:翻訳) [読書(オカルト)]

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「最古の魔術は『芸術』と称されることも多い」とオカルティストで儀式的魔術師でもある作家アラン・ムーアは述べている。「魔術と同様、芸術はシンボルや言葉、イメージを操り、意識に変化をもたらす技法なのだ」
 そうであるならば、芸術の創作は、魔術的行為にほかならない。
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単行本p.7


 隠された智恵、万物の根源、超越的存在。世界の真理を探究する営為はまた、つねに芸術と共にあった。オカルティズムの様々なテーマ(占星術、錬金術、魔術、カバラ、神智学、神秘主義、魔女、心霊主義など)をもとに創作された様々な作品を集め、芸術的インスピレーションの源としてのオカルト文化を視覚的に明らかにする一冊。単行本(青幻舎)出版は2021年3月です。


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 各章では、神秘の芸術を鮮やかに、そしてわかりやすく紹介するとともに、ビジュアル面でも楽しめるよう、霊的信仰や魔術の技法、神話や幻想的な体験から触発され創造された作品を選りすぐり掲載している。本書で目にするイメージや情報が、有名無名の芸術家や作品を網羅し、飽くなきインスピレーションの源となって、読者の皆さんの好奇心をかき立て、感覚を呼び覚まし、自分なりの実践を始めるきっかけになることを願っている。
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単行本p.10


〔目次〕

第1章 宇宙
I 真の形:アートに見る神聖幾何学
II 星を見上げる:アートに描かれた占星術と十二宮
III 元素のイメージとインスピレーション
IV 錬金術と芸術の精神

第2章 神
V 神聖と不死の存在 芸術に見る神の表現
VI 芸術の源泉としてのカバラ
VII アートに表れた神智学の思想
VIII 神秘主義の伝統と芸術

第3章 実践者
IX 霊薬、迫害、力:芸術に見る魔女とその魔力
X 心霊芸術と心霊主義
XI ひらめきと神聖なるインスピレーションの象徴:芸術のなかの占い
XII 儀式の魔術:芸術の精神を呼び覚ますもの




第1章 宇宙
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 かつて占星術師や錬金術師たちは、観察や実験、理論を通して宇宙を探ろうとしたが、それはこの世界を理解しようとする芸術家たちも同じだった。星座や黄道にあこがれ、人生の変化や運命、宿命を定める大いなる宇宙の内にあるこの世界に魅了され、ごく小さな原子から膨大な銀河まで、あらゆるものに隠されたパターンや霊的な真理を追求してきた。(中略)続く章では、錬金術、神聖幾何学、元素や黄道など、太古の昔から変遷を続けてきたさまざまな概念や、カール・セーガンがいうところの「偉大な謎」に博識の学者たちがいかに迫り、分析し、理解を試みてきたのか、その「思考」を見ていく。
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単行本p.15

 この世界はどのように作られているのか。幾何学に秘められた神秘、占星術、第五元素、錬金術などをテーマとする芸術作品を紹介してゆきます。


第2章 神
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 カバラの奥義や、神秘学の概念や体系を受け継ぐ学問、神智学の英知や教義といったものはすべて、これらの問いへの答えを見出そうとする試みなのだ。そしてその傍らには芸術家たちがいて、深遠なる思想の領域に刺激を受け、神秘の伝統を通して見たものを視覚的な形で表現してきたのである。
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単行本p.88

 隠された真理を明らかにしたいという情熱。不死なる者、カバラ、神智学、神秘主義をテーマとする芸術作品を紹介してゆきます。


第3章 実践者
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 それを見たいと願う者にとって、魔術の歴史や超自然の哲学に隠された暗号を解く鍵は、さまざまな芸術作品の中に描かれた、神秘の技を実践しようと試みる謎めいた姿に見出すことができる。儀式を行い、事物を変化させ、真理と意味を見抜き、創造という道、あるいは行為に踏み出そうとする預言者、幻視者、魔女、魔術師、心霊術者、霊媒師たちの姿や、盛儀に式典、彼らの手にする道具といったものは、何世紀にもわたって、芸術家たち――同じ哲学を研究し、実践しようとする学者や実践者のこともある――にインスピレーションと影響を与えてきた。
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単行本p.158

 真理を知るだけでなくその知識と技を用いて超自然的な結果を得ようとする試みは、芸術家が作品を創造するのと似たものがある。魔術、占い、儀式、魔女、霊媒をテーマとする芸術作品を紹介してゆきます。





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