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『世界のふしぎな木の実図鑑』(小林智洋、山東智紀、山田英春:写真) [読書(サイエンス)]

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 木の実の形態はじつに多様だ。その多様性は、次世代に命を繋ぐため新たな土地へ旅に出る手段の違いに起因する。あるものは翼を持ち、またあるものは羽根を持ち、またあるものは綿毛を持って空を翔け、またあるものは浮きを使って川や海を旅する。バネ装置やねじれ装置を使って自ら弾け飛ぶもの、鉤爪で動物たちにひっつき連れ出してもらうもの、蟻や鳥などにご褒美を携えてその身をゆだねるものもいる。人間にとっては災害としか思えない山火事ですら、耐火性を備え繁殖のチャンスに変える木の実まで存在する。
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 世界中の様々な「木の実」を形態や機能により分類し美しい写真とともに掲載したビジュアル図鑑。単行本(創元社)出版は2020年11月、Kindle版配信は2020年11月です。


〔目次〕

第1部 あつまる

ドングリの仲間
クルミの仲間
セコイア3兄弟
世界の松ぼっくり
豆いろいろ
ヤシいろいろ
レウカデンドロンの仲間
ユーカリの仲間
バオバブの仲間

第2部 ひろがる

風に舞う
回転しながら落ちる
動物にひっついて移動する
海や川を漂流する
はじけ飛ぶ
乾燥や山火事の熱で拡散する

第3部 かたちづくる

鱗をまとう
棘をのばす
ひねる・ねじれる
花ひらく
口をひらく
自然の器
自然のビーズ
丸いかたち
紡錘のかたち
でこぼこのかたち




第1部 あつまる
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 従来の体系が外部形態的な仮説を根拠に植物を演繹的に分類していったのに対して、APG体系はミクロなDNA塩基配列の解析から実証的に分類体系を構築する、根本的に異なる手法である。(中略)APG分析体系はまだ日が浅く、一般的にはまだまだ新エングラー体系やクロンキスト体系に基づいた表記の書籍も多い。
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単行本p.49

 まず様々な「木の実」を主にその形状によって分類してみます。色々な松ぼっくり、様々などんぐり、多種多様な豆や椰子。そこから分類学の進展に目を向けてゆきます。


第2部 ひろがる
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 人間は空を飛びたいと想い描き、ダヴィンチに始まり様々な飛行機械を考案してきたが、植物はそれよりもはるか昔から長い進化の中でそれらをすでに編み出している。大地に根を張り、人間や動物のようには自由に身動きの取れない植物は、より遠く、より広く、種子を新天地に届けるために、様々な工夫を凝らしてきた。
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単行本p.50

 飛翔・滑空する「飛翔タイプ」、クルクル回りながら地面に落ちる「回転タイプ」、動物の体毛に絡みついて移動する「ひっかけタイプ」、水流に乗って移動する「漂流タイプ」、弾けて種子を拡散させる「爆裂タイプ」、さらには火事や乾燥を利用する、鳥に食べられる、など様々な方法で種子を拡散しようとする木の実たち。その拡散方法がどのような形状により実現されているのかを詳しく見てゆきます。


第3部 かたちづくる
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 見た目重視の本書の中でも特に外見のユニークさに注目して選り分けてみた。鱗や棘といった表面のテクスチャーの特徴から、球や紡錘といった全体の立体型、花や器など別の何かへの見立てまで、テーマも様々だ。
 正直なところ、どの木の実もグループに分け切れないほど個性にあふれていて、なおかつどれも外したくない木の実ばかりなので、章立てには頭を悩ませた。
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単行本p.114

 ウロコ、トゲ、ねじれ、花や花瓶やビーズに似たかたち、などふしぎで美しい形状の木の実を集めて鑑賞します。





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