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『Gold Experience』(岩渕貞太) [ダンス]

 2020年11月21日は、夫婦で吉祥寺シアターに行って岩渕貞太さんの公演を鑑賞しました。岩渕貞太さんを含むダンサー4名+音楽演奏1名、計5名の出演者による上演時間70分ほどの舞台です。


[キャスト他]

振付・演出: 岩渕貞太
音楽・生演奏: 額田大志
美術: 杉山至
出演: 入手杏奈、北川結、涌田悠、岩渕貞太


 舞台向かって左手、上から何本かの金属製の筒がぶら下げられています。その下には穴が開いて奈落に通じています。実は黒い丸い金属板が舞台上に置いてあるのだと思い込んでいて、出演者が転がり落ちていったところで初めて穴だと気付きました。

 パーカッションの演奏に続いて岩渕貞太さんが登場して、いきなりすごい肉体を駆使して踊ります。原始的なエネルギーを生み出す呪術に満ちた動き、さらに唸り声というか吠え声というか、慟哭のような声で会場を震撼させます。ここがまずインパクト大。

 入手杏奈さんをはじめとする三名が登場し、最初は優雅なポーズや可憐なダンスを踊っているように見えるのですが、やがてまた獣の唸り声のような、苦悩のうめき声のような、聞いていて平静ではいられない声で吠えてゆきます。穴にも落ちます。

 舞台上に水たまりを設置して、そこで出演者たちがばしゃばしゃ踊るシーン。水音が響きわたり、壁には水面のゆらめきが映る。心の中で水の感触がよみがえります。慟哭もうめきも水遊びも、肉体に刻まれた記憶というテーマを表現しているらしいのですが、時節柄どうしても「疫病」「手洗い」を連想せずにはいられません。

 余談ですが、舞台上右手の手前に、なんと高橋萌登さんがいて、カメラなど操作して出演者を追っていました。最初そういう役の出演者なのかと勘違い。後から調べたら映像記録担当スタッフとして仕事をしていたのですね。





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