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『幻想振動』(井手茂太、斉藤美音子、イデビアンクルー) [ダンス]

 2019年7月28日は、夫婦で東京芸術劇場シアターイーストに行って、井手茂太さんと斉藤美音子さんのデュオ公演を鑑賞しました。基本的に二人だけで踊る70分の作品です。


[キャスト他]

振付・演出: 井手茂太
出演: 井手茂太、斉藤美音子、エキストラ・クルーの皆さん


 コの字型にならんだ観客席に三方を囲まれた舞台。その中央あたりに、さらに六畳ほどの和室に見立てた小さな舞台が置いてあります。この周辺で井手茂太さんと斉藤美音子さんが、謎の駆け引きをしたり、関係性を探ろうとして失敗したり、がんがん踊ったりするわけです。

 登場するだけで、この人たち大真面目なのにどっかおかしい、と思わせる二人。よく見ると衣装の仕立てがかなり変だったり、あまりにも空気を読まなかったり、相手の意図を察して機敏に対応しようとして外されたり、人が戸惑う様子がはらんでいるおかしさが次々と表現されます。笑うべきところなのか微妙に悩んでしまう小さなコントも多数。斉藤美音子さんの「ウェスト! ウェスト!」というサイトスペシフィックギャグとか。

 井手茂太さんのすっとんきょーでかっこいいダンス、斉藤美音子さんのへんちくりんで優雅なダンス、相乗効果でさらにすごいことに。盛り上がる盛り上がる。これだけ二人のダンスを堪能できる公演は、もしかして初めてかも知れない。

 後半、「裸電球に照らされた和室六畳間。真っ赤なワンピースを着た斉藤美音子さんが、畳の上に寝っ転がったり這ったりしている。そこで静かにボレロが流れはじめる」というシーンが登場し、最初はもちろん冗談だと思いました。

 まさか斉藤美音子さんが、本当に、畳の上で、ボレロのメロディを踊るとは思わないでしょう。さらにエキストラ・クルーの皆さんが乱入してきて周囲を取り囲んでリズムを踊るなどとは。

 ところが困ったことに、群舞に視線が遮られて、踊る斉藤美音子さんの姿が見えません。畳の上のボレロ、というのはちょっと無理があったのではないか。と思ったら、ときどき斉藤美音子さんがマカンコウサッポウで群舞をなぎ倒してくれるので、そのときだけ見えたりするわけです。最後まで踊りきって全員で倒れ伏したときには観客席から盛大な拍手が起きました。冗談とかっこよさが一体となった名シーンでした。ちなみにその後も二人でがんがん踊るよ。すごい高揚感。



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