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『白痴』(勅使川原三郎、佐東利穂子、鰐川枝里) [ダンス]

 2019年2月22日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんの公演を鑑賞しました。ドストエフスキー『白痴』を元にしたダンス作品、上演時間60分の舞台です。

 個人的に、シアターχで一度(2016年12月18日)、KARAS APPARATUSでもう一度(2018年6月15日)観たことがあります。これまで何度もアップデートされてきた作品で、今回はまた新たな作品として再振付した上でKARAS APPARATUSで公演し、今後は海外公演がひかえているとのこと。

 社交界に、というか他人に全然ついてゆけず、無視され、戸惑いつづけ、ときに発作を起こして苦悶するムイシュキン公爵を勅使川原三郎さんが、まったき孤独に一人佇むようなナスターシャを佐東利穂子さんが、それぞれ踊ります。ときどき登場する顔を隠した「鼠」は、おそらく鰐川枝里さんの熱演でしょう。鰐川枝里さんのダンスをもっと観たい。

 優雅で、はかなく、ほとんど非人間的なまでに鋭い印象を与える佐東利穂子さんのダンス、どこか心もとなく切なさと浮遊感の伴う勅使川原三郎さんのダンス。ランプの灯のようにちらつく照明のせいで、輪郭がはっきり定まらず、最初から最後まで夢を見ているような気配が漂います。どうしてもうまく立ち回ったり小賢しく動いたりすることの出来ない二人の、それぞれの姿が切なく、胸に響く作品です。



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