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『いきのね』(Co.山田うん) [ダンス]

 2019年2月17日は、夫婦でKAAT神奈川芸術劇場に行ってCo.山田うん公演を鑑賞しました。愛知県奥三河の重要無形民俗文化財「花祭」をモチーフにした作品で、あいちトリエンナーレ2016にて初演。今回はその改訂版ということで、16名の出演者が踊る80分の舞台です。


[キャスト他]

振付・演出: 山田うん
音楽: ヲノサトル
出演: 飯森沙百合、伊藤知奈美、川合ロン、河内優太郎、木原浩太、小山まさし、酒井直之、城俊彦、西田祥子、西山友貴、長谷川暢、広末知沙、三田瑶子、山口将太朗、山崎眞結、山下彩子


 舞台上には大量の土が敷いてあり、そこで山の神を呼び出し、祝祭を執り行い、そして神を返す、そういった神事を行います。愛知県の花祭がモチーフということですが、どうしても「春の祭典」を連想してしまいます。

 冒頭の赤鬼が強烈なインパクトで、闇に沈んだ観客席から「ママ、こわすぎる」という子供の声が聞こえてきましたが、もっともな意見だと思いました。山の神は怖い。

 やがて闇から滲み出るように少しずつ登場した出演者たちが、じわりじわりと舞台中央に集まってきて、土の上で神事を執り行います。

 全員がユニゾンで動くシーンは心浮き立つような印象ですが、やはり凄いと思ったのは、きめ細かなフォーメーション変化です。山田うんさんの振付によく出てくる「数名が円弧を描くように走り込む」という動きが出たかと思うと、はっと気づくと4×4の方陣になっていて、そのまま移動を始めた、と思うと別パターンに変化して、まるで水や炎のように融通無碍に流れてゆく16名のフォーメーションが呪術的な効果を発揮していました。

 パターンがとらえにくい人の動きと、神事が執り行われているごく狭い空間以外は闇に沈んでいるような照明効果、そしてヲノサトルさんによる音楽などが相まって、観ているだけで催眠状態に誘導されるようです。意識がこう、薄くなって、耳元で幻聴が聞こえたり、舞台とは無関係なビジョンが脳裏にリアルに展開したりと、ちょっとやばくないかこれ、という心持ちに。



タグ:山田うん
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