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『高丘親王航海記』(笠井叡:振付・演出、黒田育世、近藤良平、ほか) [ダンス]

 2019年1月27日は、夫婦で世田谷パブリックシアターに行って笠井叡さんの新作公演を鑑賞しました。澁澤龍彦の遺作をダンス化、ものすごい豪華メンバーを集結した110分の舞台です。


[キャスト他]

演出・振付: 笠井叡
意匠・舞台美術・衣裳デザイン: 榎本了壱
出演: 笠井叡、黒田育世、近藤良平、笠井瑞丈、上村なおか、岡本優、篠原くらら、伊佐千明、大江麻美子、大熊聡美、熊谷理沙、政岡由衣子、矢嶋久美子、浅見裕子、野口泉、原仁美、三上周子、宮原三千世、山口奈緒子、酒井はな


 まず自ら主役(高丘親王)を踊った笠井叡さんの存在感がすごい。三人の従者(息子の笠井瑞丈、近藤良平、岡本優)を従えて天竺に向かう、その途中で奇怪で怪しげないきものに次々と遭遇するわけですが、インパクトの強さでは誰にも負けてない印象です。サングラスにパイプをくわえて澁澤龍彦ごっこ、というシーンもばっちり決まってた。

 藤原薬子を踊った黒田育世さんの呪詛的ダンスも強烈。何か吸引してトリップしているようなきらびやかに歪んだ舞台上に、彼女が登場するだけで、いきなり死と破滅の予感に満ち満ちてしまう。底が抜けたような登場人物だらけの空間にいて、負のパワーでバランスをとっていたような気がします。

 パタタ姫を踊った篠原くららさん、春丸を踊った酒井はなさん、陳家蘭を踊った上村なおかさん、さらにはBATIKと天使館オイリュトミストのメンバーをがんがん投入するという、出演者リストを見ただけで天竺まで飛んでしまいそうなパワフルな舞台でした。



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