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『排気口』(井手茂太、斉藤美音子、イデビアンクルー) [ダンス]

 2018年8月11日は、夫婦で世田谷パブリックシアターに行って、井手茂太さん率いるイデビアンクルーの公演を鑑賞しました。2008年初演の『排気口』、その10年ぶりの改訂再演です。井手さんを含む総勢16名、イデビアンクルーのフルメンバーとフォーサイス・カンパニーの安藤洋子さんが踊る70分の舞台です。


[キャスト他]

振付・演出: 井手茂太
出演: 安藤洋子、斉藤美音子、菅尾なぎさ、金子あい、中尾留美子、依田朋子、宮下今日子、福島彩子、後藤海春、酒井幸菜、小山達也、中村達哉、松之木天辺、原田悠、三橋俊平、井手茂太


 とある旅館。舞台中央に畳敷きの広間が用意され、その周辺に廊下や玄関や庭に見立てた空間が広がっています。仲居、板前、番頭、女将、そして客たちが踊ります。

 旅館を舞台にしたドラマにありがちなシーンの断片(客の痴話喧嘩、仲居同士のいさかい、不意のラブロマンス、はずみで起きる殺人、わけあり老人、幽霊の出現など)が巧みに散りばめられ、何かストーリーがあるような雰囲気が感じられますが、もちろんそんなことはなく、つながっているような、てーんでそうではないような、印象的な光景が次から次へと展開されて観客を魅了します。

 畳の上で和装で踊る仲居たちの群舞、人間関係上の意味があった動作が繰り返されるうちに意味を失ってゆく面白さ、安藤洋子さんの弾けるようなソロ、どこにどんなタイミングで現れても場違い感を漂わせる井手茂太さんのすっとんきょーな動き、斉藤美音子さんの通りすがり発作的乱暴狼藉の素敵さ。見どころ満載というか、同時多発的に色々なことが起きるのでどこに注目すればいいか常に悩むという贅沢な作品です。

 初演時の舞台映像はNHK Eテレ「芸術劇場」で放映されましたが、今回の改訂版もぜひ放映してほしいと思います。



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