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『偉人はそこまで言ってない。 歴史的名言の意外なウラ側』(堀江宏樹) [読書(教養)]

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 本書でいうところの「ウソ名言」に代表されるのは、誰もが知るナポレオンの名言「余の辞書に不可能の文字はない」や、マリー・アントワネットの「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」など。この二つ、どちらも本人がいった言葉ではないのをご存じでしょうか?
(中略)
 このように、名言というものは、それらが生み出された歴史や文脈から完全に切り離され、一人歩きしている……つまり、勝手に解釈されてしまっているケースが実に多いのです。
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文庫版p.3、5


 余の辞書に不可能の文字はない、パンがなければお菓子を食べればいいじゃない、それでも地球は回っている。そんなこと言ってない、ひとことも言ってないよ!
 偉人伝につきものの「名言」のほとんどは後世の捏造。ということで、名言のウラを探る面白おかしい一冊。文庫版(PHP研究所)出版は2017年12月、Kindle版配信は2018年2月です。


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「偉人」の「名作」のワンフレーズを、本当はその原典を読んだことすらない「知識人」の方々が誤用、それが一般に広がってしまう流れが世界中で起きているのだと思うと、空恐ろしいものがありますね。
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文庫版p.72


 というわけで、世間に「名言」として流布しているが、実は本人が言ってないものを「ウソ名言」としてピックアップして解説する一冊です。

 まったくの捏造から、他人が言った言葉、引用だった言葉、意味や文脈が甚だしく誤解されている言葉など、さまざまな「ウソ名言」が取り上げられています。


「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」

「ブルータス、お前もか」

「地球は青かった」

「それでも地球は回っている」

「悪法もまた法なり」

「余の辞書に不可能の文字はない」

「健全なる精神は健全な肉体にやどる」

「人民の人民による人民のための政治」

「朕は国家なり」

「敵は本能寺にあり」

「心頭滅却すれば火もまた涼し」

「日本の夜明けぜよ」

「板垣死すとも自由は死せず」

「天災は忘れた頃にやってくる」


 どの名言を誰が言った(とされている)か、すべてお分かりでしょうか。実はこれ全部ウソ。他にも、

「少年よ大志を抱け」と言ったクラーク博士は、帰国後に大志ゆえに投資した事業に大失敗して失意のうちに死んだ。

「すべてを思い通りに成し遂げるのでなければ、何もなさなかったと同じ」と言ったナイチンゲールは、医療ミスで2万人ほど殺しちゃった。

「私には夢がある」と言ったキング牧師は、夢を追い求めて浮気しまくった。

などなど、名言の影に隠れている興ざめな事実も取り上げられています。



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