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『SFマガジン2016年8月号 特集:ハヤカワ・SF・シリーズ総解説』 [読書(SF)]


 隔月刊SFマガジン2016年8月号は、「ハヤカワ文庫SF総解説」に続いてハヤカワ・SF・シリーズを総解説。また読み切り短篇3本が掲載されました。


『イカロス軌道』(谷甲州)
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 このとき特設警備艦プロメテウス03の早期警戒システムは、太陽系の外縁にちかい宙域を高速移動する重力波源をとらえていた。(中略)大雑把な推測値でさえ秒速2500キロをこえる高速で、土星軌道のはるか外側から突っこんでくる。
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SFマガジン2016年8月号p.199

 第二次外惑星動乱の初期。タイタン防衛宇宙軍の警備艦が、外宇宙から土星系に急接近する謎の重力波源を検知した。敵襲か。しかし、その物体は、航空宇宙軍の戦闘艦にしてはあまりにも巨大だった……。日本SF大賞を受賞した「新・航空宇宙軍史」シリーズ最新作。話題の重力波検出をちゃっかり取り込んできました。


『あるいは呼吸する墓標』(伏見完)
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「AReNAはおれたちを生かすことで計算資源を確保する。おれたちはAReNAに計算力を提供することで生き長らえる。だとしたら、この堂々巡りにはどんな意味がある」
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SFマガジン2016年8月号p.227

 パンデミック後の世界を生き延びるために、自然環境も、野生動物も、自分たちの脳ですら、すべてを医療計算リソースにつぎ込んだ人類。歩く死体のような、あるいは呼吸する墓標のような、人生に意味はあるのだろうか。新鋭の最新作。


『裏世界ピクニック くねくねハンティング』(宮澤伊織)
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「くねくねだっけ、あれ、狩りに行こ」
「ハアァ?!?」
 思わず大声を出してしまった。
 あの見るだけで発狂する気持ち悪いやつを、狩る?
 馬鹿じゃないのかこの女。
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SFマガジン2016年8月号p.345

 エレベータの階数ボタンをある順番で押すと行けるという〈裏世界〉。そこには見ると発狂する「くねくね」がいた。〈裏世界〉を探検する二人の女性は、くねくね狩りで一儲けを狙うが……。『神々の歩法』の著者による、百万畳ラビリンス+ネットロア。



タグ:SFマガジン
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