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『ゴドーを待ちながら』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]



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勅使川原の普段のしゃべり口調で語りつづけた言葉の動きと身体の流れ、演劇かダンスかという枠を遊泳するようなパフォーマンスを心がけました。(中略)
現実とはいかに遠方にあるものかと私は考えています。
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勅使川原三郎


 2015年12月13日は、夫婦でシアターXに行って勅使川原三郎さんの公演を鑑賞しました。サミュエル・ベケットによる同名の戯曲を原作とするダンス公演です。

 天井からいくつかオブジェクトがぶら下がっているだけの殺風景な舞台。照明効果だけで時間経過を表現します。例えば、月が出た、とか。

 左手奥には観客に背中を向けてじっと立っている佐東利穂子さん。いつ振り向くか、いつ踊るのか、と思いましたが、実のところ1時間の公演中、とうとう最後まで動かず。じっと立ったまま背中で存在感を放ち続けます。

 じっとたたずむ佐東利穂子さんを別にすれば、勅使河原三郎さんが一人で1時間踊り続けるソロダンス公演です。

 不安定な、よろけるような、ふらふらした身体の運びを中心に、ひらめくようなターン、セリフと連動したジェスチャーや説明的なマイム。抑制がきいており、いわゆるダンス的な動きはほとんどありません。あくまで登場人物がぶつぶつ言いながら時間をつぶしているという風体で、手足を細かく動かしながらオフバランスで歩き回ります。

 最初と最後、短時間だけ静かな音楽が流れますが、ほとんどの時間は音楽なし。勅使河原三郎さん自身による語り(登場人物同士の会話)に、わずかにノイズがかぶせられた録音がずっと流れています。


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発音や語調は俳優のような演劇的発声や標準語風の言葉使いを避けました。浮浪者である登場人物に堅苦しくない軽さを与えました。
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勅使川原三郎


 「勅使川原の普段のしゃべり口調で語りつづけた」とあるのですが、勅使川原さんは普段あんな調子でしゃべっているのか、という驚き。というか、そもそもしゃべったりするのか、という謎の驚き。


[キャスト等]

構成・演出・振付・照明・衣装・選曲: 勅使川原三郎
出演: 勅使川原三郎、佐東利穂子


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