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『ベル(Belle)』(デボラ・コルカー・カンパニー) [ダンス]

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私がチャレンジしたいのは、心の中に宿る残忍性と二つの顔を併せ持つ女性の物語を身体言語を通して表現していくことです。私が『昼顔』の中で最も大切にしたかったのは、二人のセヴリーヌが舞台上に存在していることです。原作とブルニュエの映画では、セヴリーヌとベルは同一人物ですが、私はあえて二人のダンサーを使い彼女の感情を表現することにしました。
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デボラ・コルカー

 2015年11月1日は、夫婦と知人の三人でKAAT神奈川芸術劇場に行って、デボラ・コルカー・カンパニーの公演を鑑賞しました。15名のダンサーが踊る1時間の公演です。

 2008年に『ルート』を観て感激してから早7年、ようやくデボラ・コルカーの作品を観ることが出来ました。ちなみに『ルート』鑑賞時の紹介はこちら。

  2008年06月21日の日記
  『ルート(ROTA)』
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2008-06-21

 今回の『ベル』は、ジョゼフ・ケッセルの『昼顔』(カトリーヌ・ドヌーヴ主演で映画化されたことで有名)に基づいた作品。性的妄想シーンが大半を占めており、レイティングは「14歳未満禁止」となっています。

 何しろこれが、とてつもないパワーあふれる舞台。すべてのシーンが見せ場、また見せ場。まさか、このままずっと最後まで全力疾走か、というおののき。

 上品なバレエのステップから始まって、欲望みなぎる男性群舞へ。エロティックなデュエットあり、垂れ幕を巧みに使った妄想リフトあり。後半になると、悩殺意こめられたダンスが、これでもかこれでもかという勢いで惜しみなく投入され、これがまた最後まで勢いが止まりません。色っぽいポールダンスもお見事。

 どんだけ筋力、どんだけ体力。

 高所からいきなり仰向けに落下、座った体勢から唐突に大ジャンプ。180度以上両足開脚したままリフトされ、しかもそのまま回転したり、男から男へとトラヴァースしたり。片手でパートナーを持ち上げた姿勢でそのまま大旋回。

 というような、びっくりするような動きも多く、まあ妄想だから何でもアリですが、それは設定であって、実際に現実にフィジカルに踊ったりしないでプリーズ、というか、どれだけ鍛えてるのかと。

 観ているだけで疲れるような激しさで最後まで突っ走り、人の性的妄想というものがどれほど強烈で破滅的か、まざまざと見せつけてくれる舞台です。圧巻です。


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