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『おおきなねことちいさなねこ』(石黒亜矢子) [読書(小説・詩)]

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おおきなねこは、いいました。
「ちいねこくん、きみは
そんなに ちいさいのだから
こちらの ちいさいおにぎりと
こうかんしよう」
すると、ちいさなねこが、いいました。
「いいえ、おおねこさん、わたしは
たくさんたべて もっとおおきく
ならなくてはなりません」
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 大小二匹の猫がそれぞれ見つけたおにぎりを巡って喧嘩になり、山に住んでいる猿に相談することにしたのですが……。枠線のない漫画のような楽しい絵本。単行本(長崎出版)出版は2010年10月です。

 先日の『ばけねこぞろぞろ』が良かったので、同じ著者の絵本をもう一冊読んでみました。ちなみに『ばけねこぞろぞろ』読了時の紹介はこちら。

2015年06月02日の日記
『ばけねこぞろぞろ』(石黒亜矢子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-06-02

 今作は妖怪モノではなく動物寓話なのですが、こちらの先入観のせいか、「猫じゃなくてこれは猫又」「猿じゃなくてこれは狒狒」としか思えません。絵柄は、まったく写実的ではない猫イラスト風で、デフォルメされた表情など、とても可愛らしい。

 全体的に漫画チックな印象を受けます。一つの画面に多数の細かいシーンを共存させて時間経過を表現しているところなどいかにも「枠線のないコマ割り」漫画に見えますし、「くんくんくん……」「ぱくり」などの書き文字や、感情表現の効果線も使われていたり、素敵です。

 ちなみに、本当の猫はおにぎりを消化できないので、あげないよう子供に言い聞かせておく必要がありますね。


タグ:絵本
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