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『レイン』(アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル振付、ローザス、パリ・オペラ座) [ダンス]

 5月18日(月)0:00(17日深夜)より、NHK-BS「プレミアムシアター」にて、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル振付作品『レイン』をパリ・オペラ座の若手ダンサーたちが踊った公演が放映されました。2014年10月18日、21日に、パリ・オペラ座ガルニエ宮で収録された舞台映像です。

 スティーヴ・ライヒ作曲『18人の音楽家のための音楽』をノーカット全曲そのまま使用するという大胆な作品で、上演時間はほぼ70分。そもそもこの曲の生演奏というだけで大興奮です。

 舞台上には天井に巨大なカーテンレールが設けられ、そこから紐が多数ぶら下がって、半円形の「すだれ」を構成しています。その簾を前に踊るのは、十名のダンサーたち(女性7名、男性3名)。ダンサーたちが簾を出入りするうちに、ふと気が付くと衣装が変わっていたりして、驚きがあります。

 ライヒの延々と続くリズムに乗せて、様々な動きが、数学的なまでに緻密に展開してゆきます。先日、東京芸術劇場プレイハウスで観た『ドラミング』もそうでしたが、とにかく尽きることなく出てくる動きのアイデアの豊富さがすごい。

  2015年04月20日の日記
  『ドラミング』
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2015-04-20

 個々の細かい動きが組み合わさって全体の印象を作り上げてゆく、何というのか、アルゴリズム、のようなものにシビれます。無情というか非情なまでに超越的に感じられたローザス『ドラミング』と比べると、今回のパリ・オペラ座『レイン』は、とても華やかで躍動感に満ちた印象。情感の表現も艶やかで、観ていて感動的でした。

 ただ、個人的には、ローザスのオリジナル版も観たかったなあ、と思います。たぶんずっとドライで、厳格で、切ない雰囲気なんだろうな(想像)。

 出演者のなかでは、パク・セウンの存在感が素晴らしかった。彼女がすっと片手を挙げたりするだけで、ついつい視線が引き寄せられます。実際、カメラも彼女をわりと頻繁に追っていたような印象があります。気になるダンサーです。


『レイン』
2014年10月18日、21日
パリ・オペラ座ガルニエ宮

振付: アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル

出演: ヴァレンティーヌ・コラサンテ、ミュリエル・ズスペルギー、クリステル・グラニエ、パク・セウン、レオノール・ボーラック、アメリ・ラムルー、ローラ・バッハマン、ヴァンサン・シャイエ、ニコラ・ポール、ダニエル・ストークス

楽曲: スティーヴ・ライヒ作曲『18人の音楽家のための音楽』
演奏: アンサンブル・イクトゥス
合唱: シナジー・ボーカルズ


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