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『春の祭典』(白神ももこ:演出・振付、毛利悠子:美術、宮内康乃:音楽) [ダンス]

 2014年11月16日は、夫婦で東京芸術劇場に行って、フェスティバル/トーキョー14のダンス演目を二本鑑賞しました。

 最初の演目は、ダンスカンパニー「モモンガ・コンプレックス」を率いる白神ももこさん演出・振付による『春の祭典』。60分の作品です。

 正直に言うと、事前には“モモコンのハルサイ”というのが全く想像できず、配偶者とも「森の動物たちが春の祭りだわっしょいわっしょい、というような内容だったりして」と冗談を言っていたのですが、まさか本当にやるとは……。

 まず毛利悠子さんの舞台美術が素晴らしい。舞台奥の急峻なスロープから手前に向けて傾いている高速道路(舞台奥ずっと向こうまで道路が続いているような錯覚が生じる)、周囲には何本か背の高い照明が立てられており、一本は天井から釣られています。他にも吹き流し(実はトイレットペーパー)など、高速道路まわりの殺風景で荒れた雰囲気が再現されていて、これがぐっと来ます。(なお、産業廃棄物を使った作品がホールにも展示されていました)

 全体は大きく二部構成になっているようで、森の動物たちの合唱によるプロローグに続いて、まず第一部は昼。本当にお祭りをやります。しかもベタな日本の土俗的祭り。盆踊りみたいなダンス(というか盆踊り)、桃太郎の田舎芝居(歌舞伎みたいにみえを切るわけです)、神主さんが出てきて何やら神事らしき動き。ニジンスキーのオリジナル演出をそのまま日本版に翻訳するとこうなるのでしょう。

 第二部は夜。祭りの後始末(掃除)に続いて、魔女が円陣組んで床を叩いたり、照明柱の下では小さなニョロニョロがわさわさ動いたり、けむくじゃらの妖怪(ビッグフットとかチューバッカとか何かそういうもの)たちが踊ったり。ここは夜のムーミン谷ですか。

 「生贄を選ぶ」というテーマが、「仲間外れ(村八分)を選ぶ」に変換されていたりして、とても民族性豊かな演出であると思います。

 というわけで、たとえストラヴィンスキーだろうとニジンスキーだろうと気にせず作風を貫く白神ももこさんの豪腕ぶりに感心しました。個人的には、いや、まあ、いや、どうだろう、戸惑いを隠せないのですが。


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