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『錆からでた実』(森下真樹、きたまり、川村美紀子、美術:束芋) [ダンス]

 「と、東京オリンピック・・・。ここ、なくなっちゃうの?」

 2013年10月27日(日)は、夫婦で青山円形劇場に行って、森下真樹さんの振付作品を鑑賞しました。束芋さんの心地よい美術映像が投影されるなか、森下真樹、きたまり、川村美紀子という個性派ダンサー三名が踊る1時間強の公演。「夢の共演」的な何か。

 マキ・マリ・ミキ。まるで本当の三姉妹のように仲違い三人組が、各々その圧倒的な存在感で何かを突き抜けてしまう素晴らしき舞台。感激です。

 いつもより多めにがんがん踊ってくれた森下真樹さん。もちろん威圧もします。大柄な彼女が繰り出すダイナミックな動きは端正で美しく、大真面目な顔で自分の振付を細かくチェックしながら、つぶやくように、“38”。

 小柄で、ひたむきで、かっこいいきたまりさん。気配り担当。活き活きとした身体のキレからあふれる魅力をほとばしらせながら、しみじみ確かめるように、“みそじ”。

 そしてコンテンポラリーダンス界のアイドル川村美紀子さんは、自傷行為からゼッキョーまで思う存分に病みアピール。そのアニメ声と、強烈なリズムを刻んでくる激しいダンスに、観客はどっか遠いところに連れてかれます。うっかり脳裏に流れる「かわむらみきこのうた」。

 舞台中央のスクリーンに投影される束芋さんの映像は、何だか、懐かしいような少し怖いような、夢の感覚に満ちた心地よさ。この映像のおかげで、下手をするとバラバラに弾けてしまいかねない三人の個性が、「まあ明晰夢だし」という納得感に包み込まれたまま、勢いよく弾けてゆきます、どこかに。

 三人が同時に踊るシーンもいくつかありましたが、何しろ青山円形劇場なので同時に全員を視界に入れることがかなわず、いまここでこの瞬間誰を観るべきか、迷いながら、きょろきょろ視線をさまよわせてしまうという贅沢。何度も繰り返し観たい舞台ですが、そういうわけにいかないのがつらいところ。

[キャスト]

振付: 森下真樹
美術: 束芋
出演: きたまり、川村美紀子、森下真樹


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