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『麻痺 引き出し 嫉妬』(イデビアン・クルー、井手茂太、斉藤美音子) [ダンス]

 2013年10月06日(日)は、夫婦でKAAT神奈川芸術劇場に行って井手茂太さん振付によるイデビアン・クルーの新作公演を鑑賞しました。

 舞台上に作られた(旧作『排気口』における旅館を連想させる)20畳ほどの和室。ふすま、天井から釣り下がっている和室用蛍光灯、ちゃぶだい、箪笥、二人がけソファなど、いずれも古びた家具。広いとはいえないこの場所で、七名の男女が踊ります。

 ちょっとタイミングがずれたらぶつかってしまいそうなハラハラ感あふれる群舞、同時多発的に和室のあちこちで出演者同士の掛け合いが相互無関係に発生したり、踊っている途中でも出演者たちは和室を一見てんで勝手に出入りしたりします。

 ごく日常的な動きを元にしたダンスは、いかにもイデビアン・クルーらしく、観ていて嬉しくなります。井手さんのすっとぼけたユーモアも健在。

 妙なことにムキになって互いに意図不明なまま対立したり、競合しているうちに何か動きが同期してしまって気がついたら一緒に踊ってたり、そこに割り込んできた第三者、第四者がみんなで同じ動きをしてさらに混乱に拍車をかけたり。

 いきなりミラーボールが回って歌謡ショーが始まるとか、井手さんらしい仕掛けは盛ってありますが、ただ、これまでの作品と似たような演出が多く、あまり驚きはありません。どこがどうというわけではありませんが、全体的にこう旧作と比べて薄い感じがして、もの足りないという印象も。

 井手さんの動きも気持ちよかったのですが、何しろ着物姿でがんがん踊ってくれた斉藤美音子さんが実にカッコよくて、シビれました。尋常ではないキレのある動き、大真面目だけどやっぱり意味不明な、色々な意味で周囲から浮いているダンスは観ていて爽快感があります。

[キャスト]

振付・演出: 井手茂太
出演: 斉藤美音子、菅尾なぎさ、中尾留美子、中村達哉、松之木天辺、原田悠、井手茂太


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