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『鳥の王さま  ショーン・タンのスケッチブック』(ショーン・タン、岸本佐知子:訳) [読書(小説・詩)]

 『アライバル』、『遠い町から来た話』、『ロスト・シング』などのグラフィックノベルが大きな話題となったショーン・タンのイラスト集。単行本(河出書房新社)出版は、2012年08月です。

 摩訶不思議で、ちょっぴりユーモラスで、なぜか懐かしい感触のある、そんな不思議な世界や事物を描くショーン・タンのイラスト集です。ちょっとした落書きから、完成されたカラーイラスト、写実的なスケッチ、そして既刊作品の創作過程を垣間見られる制作ノートまで、様々な絵を堪能することが出来ます。

 ぱらばらめくっているだけで心があっちへ行ってしまいそうな魅力。生きものなのか機械なのかよく分からない不可思議なもの、見たこともない驚異の風景、奇怪でユーモラスでちょっとときめいてしまう場面。何度観ても飽きません。いいなあ。

 巻末には全ての収録作品についてタイトルと簡単な紹介が載っているのも嬉しいところ。ときどき未訳作品への言及があるので、早く訳してほしいと、気持ちが高ぶります。またショーン・タン自身が創作について語るエッセイも何篇か収録されており、その素直で真面目な人柄がよく分かります。

 基本的にファン向けのイラスト集ですが、既刊書を知らなくても問題なく楽しめるので、本書ではじめてショーン・タン作品に触れるという方でも問題ありません。


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