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『SFマガジン2012年9月号  ガイド特集「この20人、この5作」』 [読書(SF)]

 SFマガジン2012年9月号は、SF読書ガイド特集ということで、20名の海外SF作家を取り上げてそれぞれ代表作5作を選出すると共に、籘真千歳さんの読み切り中篇の中間パートを掲載してくれました。

 既刊の長篇二冊の前日譚にあたる『スワロウテイル序章/人工処女受胎』(籘真千歳)の刊行が2012年9月上旬に予定されていますが、そこに含まれる全四話の連作のうち第三話に相当する中篇、それが本作です。

 さらに本作は雑誌掲載にあたって三分割され、それぞれ8月号、9月号、10月号に載るということになっています。従って、今月号に掲載されたのは、第三話の中間パートに相当します。

 基本的には、お嬢様女子学校を舞台としたいわゆる「学園もの」です。人工妖精が通う看護学園にいた頃の若き揚羽が、変異審問官の依頼を受けて学園を内偵するうちに、学園の創立にまでさかのぼる秘密に気づいて、というような話。

 人工妖精の連続殺人事件という物騒な犯罪が、どのように学園と繋がるのか。その謎を探ろうとした揚羽は、自分が学園祭の最後に全校生徒の投票により選ばれる学年代表者の候補として勝手に祭り上げられていることを知る。今や揚羽は学園の話題の中心、もはや内偵どころじゃない騒ぎに巻き込まれてしまい・・・。というのが前号(2012年8月号)に掲載された導入パートの内容です。

 今回掲載された中間パートですが、まずはいきなり剣戟シーンが始まるのでびっくり。八相の構えから繰り出される必殺の燕返し、どう立ち向かう揚羽。って何の話ですか。

 戸惑いながら読み進めるうちに、後半に至ってようやく人工妖精の連続殺人事件と、周囲で起きている騒動をつなぐ糸が見えてくる。揚羽は生徒会長と共に学園を抜け出し、学園創立の秘密が隠されている場所へと向かうのであった。以下次号。

 全体に漂っているラノベ感がこの歳になるとちょっと辛いのですが、それなりに楽しめる作品です。次号の最終パートでは学園祭と人気投票と事件解決がいっぺんに書かれることになると思われ、その盛り上がりに期待しています。

[掲載作品]

 『スワロウテイル人工少女販売処/蝶と夕桜とラウダーテのセミラミス(中篇)』(籘真千歳)


タグ:SFマガジン
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