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『神々の遺産オーパーツ大全』(並木伸一郎) [読書(オカルト)]

 コロンビアの黄金ジェット機、ナスカの地上絵、三葉虫を踏みつぶした足跡。その時代に存在したはずがない「場違いな工芸品」、いわゆるオーパーツを200以上も収録。

 懐疑的な情報や詳しい調査結果は伏せ、何でもかんでも太古に地球に飛来した異星人が残したものであろうか、少なくともそれを否定することは誰にも出来ないのである、で片づけてしまう迷いのなさも爽やかな、オーパーツ本の決定版。単行本(学研パブリッシング)出版は2011年7月です。

 というわけで、並木伸一郎さんの『未確認動物UMA大全』、『未確認飛行物体UFO大全』に続く“大全”もの最新刊です。

 とにかく数で勝負してきます。物件の収録数は200を超えており、有名どころの写真も出来る限り収録。クリスタルスカル、ナスカの地上絵、アンティキティラの機械、ハトホル神殿の電球リレーフ、コスタリカの石球、デリーの錆びない鉄柱、コソ加工物、タッシリ・ナジュールの異星人岩絵、モヘンジョ・ダロの核戦争跡、南極が描かれたピリ・レイスの地図、アカンバロの恐竜土偶、ドゴン族の天文学知識。定番ネタに漏れはありません。

 ただし、200件超えですから、もう何でもかんでもオーパーツだと言い張っている観も。江戸時代の文献に載っている「うつろ舟」もオーパーツ、イギリスの丘陵に描かれた白馬の絵もオーパーツ、オーストリアのミッキーマウス壁画もオーパーツ、月面にそびえ立つクリスタルタワーもオーパーツ。まあ、それはオーパーツじゃないだろ、というかそもそも存在しないだろ、などと文句言っても仕方ありません。

 並木本ですから、もちろん否定的、懐疑的な情報は伏せられています。何を見ても「異星人の姿を描いたものとしか考えられない」とか「核爆発によるものであることは明らか」とか断定してしまうノリも、子供の頃にどきどきしながら読んだオカルト記事のテイストを思い出させ、何だか懐かしくなってきます。

 物件は行方不明、発掘状況などの詳細は不明、年代測定が行われたという情報もなく、今にいたるも続報は無し、みたいな怪し過ぎる物件も平然と収録されていますので、眉に唾をつけて、というより最初からオカルト娯楽本、謎の古代遺跡あるある事典、として楽しむつもりで読みましょう。

 正当派考古学者を罵倒したり、超古代文明について何やら偉そうに主張したり、太古宇宙飛行士仮説について自説をとうとうと述べたり、そういった類書にありがちなうっとうしい記述がなく、ひたすら物件紹介に徹しているのは爽やか。まるでカタログ本のように、素直に楽しめます。

 というわけで、謎の遺跡、奇妙な遺物、怪しいネタが次々と登場する、読んで楽しいオーパーツ本。『UFO大全』、『UMA大全』と合わせて並木「大全」三冊、お子供の情操教育にいかがでしょう。

 ところで、以前に学研から出た『オーパーツ大全』という本を読んだことがあるよなあ、と思って調べてみたら、『オーパーツ大全 失われた文明の遺産』(クラウス・ドナ、ラインハルト・ハベック)という本を持っていました。まぎらわしい書名なので、これから探す方は気をつけて下さい。あ、竹書房から『オーパーツ大全』(並木伸一郎)という本も出てるし。


タグ:並木伸一郎
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