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『SFマガジン2011年7月号 特集:伊藤計劃以後』 [読書(SF)]

 SFマガジンの2011年7月号は、「特集:伊藤計劃以後」ということで、日本SFにおける2010年代に向けた動きを俯瞰するとともに、そこで「次世代型作家」の一人とされた大本雅彦さんの短篇を掲載してくれました。

 その短篇、『「僕の物語」における「の」の物語』(大本雅彦)ですが、これは物語の普遍構造や生成規則が完全に解析され、自動作成可能になった時代を背景としたラブストーリー(だと思う)。

 物語を生成することで現実を操作する能力を持っている主人公。あるとき彼が出会ったのは、脳の障害により物語を認識する力を失い、埋め込み型オンラインインプラントが構成する物語を生きている女性。彼女とのラブストーリーという「僕の物語」を生成するために、物語の普遍構造そのものを変換しようとした僕の物語についての物語を物語る物語。

 小説の中で物語の構造がどうのこうのと自己言及しはじめるタイプのメタフィクションですが、それほど面白いとも思えず、正直、読んでて疲れました。もう次世代型フィクションとかいわれるものについてゆける歳ではありません。


タグ:SFマガジン
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