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『ラ・バヤデール、オンディーヌ』(吉田都、英国ロイヤルバレエ、NHK「プレミアムシアター」) [映像(バレエ)]

 2011年3月19日の深夜、NHK BShi「プレミアムシアター」にて英国ロイヤルバレエの公演を2本も放映してくれました。ロホ&アコスタの『ラ・バヤデール』と、吉田都さんの『オンディーヌ』です。

 まず『ラ・バヤデール』ですが、これは初めて観る舞台(市販映像が出てるらしいのですが未確認です。すいません)。ニキヤ役にタマラ・ロホ、ソロル役にカルロス・アコスタ、ガムザッティ役にマリアネラ・ヌニェスという豪華な配役なので、安心して観ることが出来ます。

 この作品、キャストによっては、神経症的で地雷っぽい「ジゼル」の嫉妬による腹いせ自殺、それで精神的に追い詰められ周囲を巻き込んで破滅する男、といった感じの陰々滅々たる復讐譚になって、観客も落ち込んだりするのですが、何しろ今回ニキヤを踊ったのはタマラ・ロホ。その明るいというか全身からにじみ出るような健全さ。

 カルロス・アコスタが踊るソロル、マリアネラ・ヌニェスが踊るガムザッティ、いずれも明朗快活な雰囲気で、じめじめどろどろしたところがなく、全体として健やかな悲恋ものになっています。いい感じ。むろん、テクニック、表現とも文句のつけようのない爽快な舞台でした。

 そもそも他人に合わせる気が最初からないと思しき英国ロイヤルバレエの群舞(個人的にはそこが好き)が、精一杯ユニゾンをとっている姿に感動する美しい「影の王国」のシーンが特に良かった。

 あと個人的に注目したのは、苦行者を踊った蔵健太さん、それから小林ひかるさんと崔由姫(Yuhui Choe、チェ・ユヒ/チェ・ユフィ)さんも活躍していました。特に崔由姫さんは後半にソロで踊るシーンがあり(なぜか小林さんにはありませんでした)、これはごく短いのですが、とても嬉しかった。

 前半ガムザッティの見せ場、ラストの旋回をびしっとキメて観客からの拍手を浴びるシーンで、マリアネラ・ヌニェスの両側に小林ひかるさん、崔由姫さんの二人、この三名が1フレームにぴたり納まっている見事な構図には、思わずこちらも拍手です。

 パリ・オペラ座版では『ラ・バヤデール』の最終幕は省略されるのですが、こちらはマカロワ版なので、きっちり最後までやります。ちなみに終演後にはマカロワさんも舞台に登場して、盛大な拍手を受けていました。その凛とした美しい立ち姿にはほれぼれします。

 偶然ながら、天変地異により神殿が崩壊するスペクタクルシーンの直前に、画面には地震速報のテロップが。「地震が発生しました」が何度も表示された後、舞台は大地震のシーンに。あまりのタイミングの悪さに、もう一度再放送を録画してそちらを保存しようと思います。再放送の予定は次の通り。NHK BS2です。

  プレミアムシアター 再放送予定
    英国ロイヤル・バレエ公演『ラ・バヤデール』、『オンディーヌ』
  NHK BS2 3月28日(27日深夜)午前0時40分~4時37分

 さて、もう一本の『オンディーヌ』ですが、こちらは市販映像を観たことがあり、それと同じものでした。この番組を録画すればブルーレイディスクを購入する必要はないかも知れません。

 というわけで感想は2010年06月04日の日記参照、ということで手抜きさせて頂きます。マーゴ・フォンテインのプロモーション作品を堂々と踊る吉田都さんの美しさ可愛らしさにノックアウトされましょう。

 ちなみに、以前にNHK「芸術劇場」(この番組も終わってしまいました。悲しい)で放映された吉田都さんの引退公演『ロメオとジュリエット』がプレミアムシアターでも放映されます。見逃していた方も、この機会にぜひどうぞ。

  プレミアムシアター 放送予定
    英国ロイヤル・バレエ公演『スケートをする人々』、『ピーターとおおかみ』
    英国ロイヤル・バレエ日本公演『ロメオとジュリエット』
  NHK BShi 3月26日 午後11時~午前3時


英国ロイヤル・バレエ公演『ラ・バヤデール』

収録: 2009年1月15日、19日(コヴェントガーデン王立歌劇場)
振付: マリウス・プティパ
改訂振付・演出: ナタリア・マカロワ
美術: ヨランダ・ソナベント
照明: ジョン・B・リード
管弦楽: コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
指揮: ワレリー・オブジャニコフ

[キャスト]

ニキヤ: タマラ・ロホ
ソロル: カルロス・アコスタ
ガムザッティ: マリアネラ・ヌニェス


英国ロイヤル・バレエ公演『オンディーヌ』

収録:2009年6月3日、6日(コヴェントガーデン王立歌劇場)
振付: フレデリック・アシュトン
美術: リラ・デ・ノビリ
照明: ジョン・B・リード
音楽: ハンス・ウェルナー・ヘンツェ
管弦楽: コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
指揮: バリー・ワーズワース

[キャスト]

オンディーヌ: 吉田都
パレモン: エドワード・ワトソン
ベルタ: ジェネシア・ロサート


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