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『第38回ローザンヌ国際バレエコンクール』(NHK教育) [映像(バレエ)]

 決勝に残った20名のうち16名が男子、さらに入賞者7名のうち5名が男子という異例の状況で大いに話題になった第38回ローザンヌ国際バレエコンクール。その決勝の様子を、5月1日にNHK教育が放映してくれました。

 まず注目は、ギリェルメ・ドゥアルテ・デ・メネゼスとヴィトール・ドゥアルテ・デ・メネゼスという双子の兄弟。双子がともに決勝に残ったというので話題になりましたが、実際に観てみると両名とも溌剌というかきびきびというか、元気で明るいバレエで嬉しかったです。外見そっくりなのに踊りがまた微妙に違うのが面白い。

 小柄で可愛い元気な小動物系、マルチェリーノ・サンベも魅力的でした。昨年の第37回コンクールで踊ったテルモ・モレイナと同じポルトガルのダンサーで、傾向も似ているような気が、というか失礼ながらどっちがどっちだったか個人的に分からなくなってしまったりして、ううむポルトガル恐るべし。ポルトガルのバレエ団の舞台を観てみたいと思いました。

 元気溌剌・明朗快活・小動物系と言えば、クリスティアン・エマヌエル・アムチャステギも木ノ内周さんもそんな感じで、これからの男性ダンサーの主流はこちらになるのでしょうか。嬉しいかも。

 同じく昨年の第37回コンクールの映像で、その端正で丁寧な表現が印象に残ったヨウ・エイキですが、今年はそれに加えて決めポーズの美しさが際立ち、観ていて爽快さを覚えます。

 リョウ・ソウは細かい動きが既にプロっぽく、その落ち着いた安定感が気に入りました。とても15歳とは思えないスケールのでかいバレエを踊った佐々木万璃子さんも立派。

 最終的に一位入賞と観客賞をとったのはクリスティアン・エマヌエル・アムチャステギですが、この子はもうずば抜けていると素人目にも分かる凄いバレエで、審査員全員(+観客)の意見が一致したというのも無理はありません。特に、決勝ではたった一人、彼だけが踊った『カリバン』(キャシー・マーストン振付)は息をのむような迫力でした。将来が楽しみです。

 三位入賞した佐々木万璃さんが番組にゲストとして招かれていました。コンテンポラリー部門において、包容力あふれる大人の魅力で観客を引きつけたあのダンサーが、素で話してるのを見るとまったく年齢相応の子どもなのでびっくり。

 コンテンポラリー部門と言えば、今年はクリストファー・ウィールドンとキャシー・マーストンという若手コリオグラファの作品が課題だったのですが、もうこれがダンス作品として素晴らしく、審査を意識しないでダンス公演として楽しめました。この二人の作品は要チェック。どれも傑作ですが、個人的にはクリストファー・ウィールドン作品では『コメディア』、キャシー・マーストン作品では『カリバン』が特に気に入りました。


[決勝に残ったダンサー]

アクリ瑠嘉
フランシスコ・ムンガンバ・レイナ : 二位入賞
アレクサンドラ・ヴァラヴァニス : スイス賞
ルイス・ターナー : 七位入賞、コンテンポラリー賞
ギリェルメ・ドゥアルテ・デ・メネゼス
ヨ・ギョウトウ
ヴィトール・ドゥアルテ・デ・メネゼス
アーロン・スミス
カイトリン・スタワラック : 四位入賞
リョウ・タクテイ
ヨウ・エイキ
チン・チンイ
マルチェリーノ・サンベ
木ノ内周
リョウ・ソウ
ジョナサン・デ・アラウジョ・バティスタ
アーロン・シャラット : 五位入賞
クリストファー・エヴァンズ : 六位入賞
佐々木万璃子 : 三位入賞
クリスティアン・エマヌエル・アムチャステギ : 一位入賞、観客賞


[決勝のコンテンポラリー部門で踊られた作品]

クリストファー・ウィールドン振付
『コメディア』
『コンティヌウム』
『ポリフォニア』

キャシー・マーストン振付
『リベラ・メ』
『キャプテン・アルヴィング』
『トレーセス』
『カリバン』


タグ:ローザンヌ
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