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『いぬはなく』(斉藤倫) [読書(小説・詩)]

 斉藤倫さんのこっけいな詩に、名久井直子さんのちょっと不思議でかわいらしい絵がついた、通常の絵本を三等分したくらいの小型横長サイズの、奇妙な絵本です。

 斉藤倫さんの『さよなら、柩』や『手をふる 手をふる』といった詩集にも、言葉あそびのような作品はいくつかあったのですが、この絵本に載っている詩は全て言葉あそび。それもルールはたった一つ。英語の単語で動物の鳴き声を表してみましょう。

    いぬはなく
    ONCE! ONCE!

    ねこはわらう
    NOW! NOW!

    うまはなげく
    BLUE! BLUE!

    がまはいのる
    GROW! GROW!

 ちょっと凝った作品ではこんなのも。

    うぐいすはうそぶく
    FORGET IT!

 個人的に最も気に入ったのは、これ。

    めんどりはさそう
    COQUETTISH?

 英語の発音は動物の鳴き声に、その意味は表題につながります。実際に発音しながら動物の鳴き声に近づけてゆくと、これが妙に可笑しいのです。

 これらの作品に添えられているのは、動物の着ぐるみをつけた小さな子どものイラスト。名久井直子さんの作品です。可愛らしいような、ちょっと謎めいてるような、そんな子どもたちの姿を見ていると、自然と楽しい気持ちになってきます。

 というわけで、魅力いっぱいの素敵な絵本なのですが、子どもの皆さんにはこのおかしさが分かるのでしょうか。それとも、今どきの子どもはこのくらいの英単語は知ってて当然なのでしょうか。


タグ:斉藤倫 絵本
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