『膝のうえのともだち』(町田康) [読書(小説・詩)]
シリーズ“町田康を読む!”第34回。
町田康の小説と随筆を出版順に読んでゆくシリーズ。今回は書き下ろし短篇小説を含む猫写真集。単行本出版は2010年3月。
飼い猫との生活を書いた名エッセイ集、『猫にかまけて』と『猫のあしあと』のファンブックともいうべき一冊です。 ココアの、ゲンゾーの、ヘッケの、奈々の、懐かしい町田家の猫たち13匹の写真が収録されています。
『猫かま/猫あし』の愛読者なら色々と思い出して目頭が熱くなるでしょうが、読んでない人にとっては意味不明かも知れません。何の説明もなく、猫のスナップショット(町田夫妻が自宅で撮影したもの)がずらずらと掲載され、その間を『猫かま/猫あし』からの引用文が埋めているだけなので。
書き下ろし短篇小説『ココア』は、猫と人間の立場が入れ替わった世界に迷い込んでしまった町田康が、野良人としてひどい目にあい、死にかけていたところを、かつての飼い猫ココアに拾われる、というような話。
もちろん、ココアとの再会に感動するためにも、あらかじめ『猫かま/猫あし』を読んでおいた方がいいのですが、しかし予備知識なしに読んでも楽しめると思います。
野良猫の生活がどれほど厳しいものか、人間が猫に対してどれほど酷薄にふるまうか、それを身をもって体験する話なので、「野良猫はのんびり日向ぼっこしているだけの気楽な生活でうらやましいなあ」とか素朴に思っている人にはぜひ読んでほしいと思います。
というわけで、まずは『猫にかまけて』だけでも読んでから手にしてほしい本。調べてみたら、今月は『猫にかまけて』の文庫版が出版されるようです。いい機会なので、書店で三冊合わせて購入し、連休にゆっくり読んでみてはいかがでしょうか。
町田康の小説と随筆を出版順に読んでゆくシリーズ。今回は書き下ろし短篇小説を含む猫写真集。単行本出版は2010年3月。
飼い猫との生活を書いた名エッセイ集、『猫にかまけて』と『猫のあしあと』のファンブックともいうべき一冊です。 ココアの、ゲンゾーの、ヘッケの、奈々の、懐かしい町田家の猫たち13匹の写真が収録されています。
『猫かま/猫あし』の愛読者なら色々と思い出して目頭が熱くなるでしょうが、読んでない人にとっては意味不明かも知れません。何の説明もなく、猫のスナップショット(町田夫妻が自宅で撮影したもの)がずらずらと掲載され、その間を『猫かま/猫あし』からの引用文が埋めているだけなので。
書き下ろし短篇小説『ココア』は、猫と人間の立場が入れ替わった世界に迷い込んでしまった町田康が、野良人としてひどい目にあい、死にかけていたところを、かつての飼い猫ココアに拾われる、というような話。
もちろん、ココアとの再会に感動するためにも、あらかじめ『猫かま/猫あし』を読んでおいた方がいいのですが、しかし予備知識なしに読んでも楽しめると思います。
野良猫の生活がどれほど厳しいものか、人間が猫に対してどれほど酷薄にふるまうか、それを身をもって体験する話なので、「野良猫はのんびり日向ぼっこしているだけの気楽な生活でうらやましいなあ」とか素朴に思っている人にはぜひ読んでほしいと思います。
というわけで、まずは『猫にかまけて』だけでも読んでから手にしてほしい本。調べてみたら、今月は『猫にかまけて』の文庫版が出版されるようです。いい機会なので、書店で三冊合わせて購入し、連休にゆっくり読んでみてはいかがでしょうか。
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