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『バランシンを振り返る -歴史的なロシア公演より』(ニューヨーク・シティ・バレエ) [映像(バレエ)]

 2003年7月末にロシア、サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で行われたニューヨーク・シティ・バレエ団の公演を追ったドキュメンタリーフィルムです。

 原題の"Bringing Balanchine Back"というのは、もちろん邦題の通り「振り返る」という意味もあるのでしょうが、どちらかと言えば「バランシンを連れ帰る」という意味の方が強いと思われます。

 というのも、サンクトペテルブルクはジョージ・バランシンの故郷であり、バランシンはそのキャリアをマリインスキー劇場でスタートさせたからです。言わば、ニューヨーク・シティ・バレエ団にとって「聖地」ともいうべき場所。公演にも気合が入るというものです。

 というわけで、本作には一週間に渡って行われた公演の様子が丹念に収録されています。公演前の技術スタッフの準備、オーケストラの練習、選抜メンバーのレッスン風景から始まって、ロシアへ向かう空港や現地での記者会見の光景、ダンサーや関係者へのインタビュー、公演後の観客へのインタビュー、など、多角的な記録です。

 特筆すべきは、リハーサルや本公演の様子が長時間に渡って収録されていること。個人的な印象としては、舞台映像に全体収録時間の半分くらいを費やしてくれたような気がします。

 それも正面から舞台を撮影した公式記録だけでなく、舞台袖から映した映像、リハーサル時に舞台上で撮影したと思しきクローズアップ映像など、様々な角度から観た映像を手際よく編集してあり、まるで視点をてきぱき切り換えて観ているような気分に。素晴らしい。

 収録されている公演映像も「セレナーデ」、「シンフォニー・イン・スリー・ムーブメント」、「シンフォニー・イン・C」、「グラス・ピース」、「アゴン」、「ハレルヤ・ジャンクション」、「ウェスタン・シンフォニー」という具合にニューヨーク・シティ・バレエの代表的な演目が目白押しで、映像記録を観られる機会が少ないNYCBの、これはお宝映像と言ってよいでしょう。

 付録として追加インタビューが収録されていますが、個人的にはマリインスキー劇場の内部のあちこちを映してくれる「マリインスキー劇場ツアー」に興奮しました。


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