『スーパーバレエレッスン ロイヤル・バレエの精華 吉田都（５）』

　英国ロイヤルバレエ団の元プリンシパル、吉田都さんが講師をつとめる新しい『ＮＨＫ教育　スーパーバレエレッスン』、その第５回のテーマは「“眠りの森の美女”第３幕からバリエーション」でした。

　今回の演目はクラシックバレエの神髄ということで、いつもにも増して厳しく指導する吉田都さん。厳しいというか、真剣。英国ロイヤルバレエ団にとってとても大切な作品を伝えることの責任感ゆえでしょうか。どことなく悲壮な気配すら漂わせていたように思います。

　で、その指導内容ですが、ものすごく細かい指示に驚かされます。姿勢、身体の角度、手足のポジションと動き、テンポ、ペース配分、呼吸、視線。すべての要素を一つ一つ修正してゆきます。ほんの少しの調整で、印象が劇的に変わってしまうのを目の当たりにして感嘆。

　「これはアンソニーが教えてくれたんですけど・・・」みたいな吉田都さんならではの指導も織り込んで延々と続く高密度のレッスンは、観ているだけで疲労困憊するほど。生徒の坂本春香さんも疲労感がにじみ出ていてちょっと気の毒でした。

　というわけで、オーロラ姫の気品や威厳は、ダンサーの存在感や演技力もさることながら、何よりもまず厳密で正確で揺るぎないステップからこそ立ち現れてくる、ということが実感できるレッスンでした。なるほど、これがすなわちクラシックバレエというものか。


［番組情報］

放映時間：　2009年9月25日（金）　12:00～12:25
放映チャネル：　NHKデジタル教育
出演：
　吉田都（講師）、坂本春香（生徒）、蛭崎あゆみ（ピアノ）

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