『dancetoday2009』(金森穣、中村恩恵、大植真太郎) [舞台(コンテンポラリーダンス)]
金森穣、中村恩恵、大植真太郎というビッグネーム三名がそれぞれ新作振付作品を踊るというので話題になっているトリプル・ビル公演を観るために、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場まで行ってきました。小ホールなので客席と舞台がものすごく近い。
最初の出番は大植真太郎さん。以前には、イスラエルのインバル・ピント・カンパニー作品『ヒュドラ』に森山開次さんと一緒に出演して踊っていた舞台を観たことがあるくらいで、こんなに間近で観るのは初めて。
その大植真太郎さんが、柳本雅寛さん、平原慎太郎さんと組んだC/Ompanyによる作品が『イキ、シ、タイ』です。男三名でくんずほぐれつ、格闘技ごっこ、陸上競技ごっこ、バレエごっこ。眉をひそめた母親から「いい歳して」とことあるごとに言われるくらいの年頃の男子が友達とふざけて遊び回っているようなダンス。BATIK(黒田育世)に『ペンダントイヴ』という女児の遊戯を描いた名作があり、その男子版というのがあったらさぞやマヌケだろうと想像したことがありますが、それを目のあたりにしてしまいました。やっぱりマヌケでした。
コンテンポラリーダンス作品としての評価はよく分かりませんが、「三名で組んで行なうヘンテコな動き」のアイデアが豊富につぎ込まれていて、やたら楽しそうで、コンビニの安っぽいビニール買物袋が大量に舞い飛ぶラストに至るまで、存分に笑って良い気分になりました。好きです。
次は、イリ・キリアン率いるネザーランド・ダンス・シアターで活躍していた中村恩恵さんが、廣田あつ子さんと組んで踊った『le droit de rêver 夢みる権利』。照明、音楽、投影映像が一体となって夢の中の光景を現出させます。
不幸なことに夢の中の光景を見ているうちに意識が断続的に途切れちゃったらしく、あまり覚えてません。ごめんなさい。配偶者によると「中村恩恵さんの動きが、ものすごく細かくて繊細だった。間近で観てその凄さが分かった。感動した」とのことで、私は悲しい気持ちでいっぱいに。ひょっとして取り返しのつかない失態ですかこれは。
最後はネザーランド・ダンス・シアターつながりなのか、Noismを率いる金森穣さん。奥さんである井関佐和子さんと組んで作ったunit-Cyanによる『trio ~《シアンの告白》より抜粋』です。
これは正直に言って期待ハズレでした。今回の抜粋版を観たかぎりですが、構成も、演出も、舞台装置も、そして動きも、全てにおいて凡庸というか、キレが悪いというか、安全牌に頼っているというか、心に響くものが感じられない舞台でした。半時間、ひたすら金森さんのノロケ話を聞かされたような気分です。家庭を持ったせいで油断が出たのではないか、心配です。もしかしたら、抜粋版ではなく全体を観ると印象が変わるのかも知れませんけど。
というわけで個人的には大満足したとはとても言えないのですが、好企画で気合が入った舞台ではありました。さいたま芸術劇場には『videodance2009』と共にこの企画でこれからもガンガン攻めていってほしいものです。
[演目および出演(2009年09月12日)]
『イキ、シ、タイ』
C/Ompany(大植真太郎、柳本雅寛、平原慎太郎)
『le droit de rêver 夢みる権利』
廣田あつ子、中村恩恵
『trio ~《シアンの告白》より抜粋』
unit-Cyan(金森穣、井関佐和子)
最初の出番は大植真太郎さん。以前には、イスラエルのインバル・ピント・カンパニー作品『ヒュドラ』に森山開次さんと一緒に出演して踊っていた舞台を観たことがあるくらいで、こんなに間近で観るのは初めて。
その大植真太郎さんが、柳本雅寛さん、平原慎太郎さんと組んだC/Ompanyによる作品が『イキ、シ、タイ』です。男三名でくんずほぐれつ、格闘技ごっこ、陸上競技ごっこ、バレエごっこ。眉をひそめた母親から「いい歳して」とことあるごとに言われるくらいの年頃の男子が友達とふざけて遊び回っているようなダンス。BATIK(黒田育世)に『ペンダントイヴ』という女児の遊戯を描いた名作があり、その男子版というのがあったらさぞやマヌケだろうと想像したことがありますが、それを目のあたりにしてしまいました。やっぱりマヌケでした。
コンテンポラリーダンス作品としての評価はよく分かりませんが、「三名で組んで行なうヘンテコな動き」のアイデアが豊富につぎ込まれていて、やたら楽しそうで、コンビニの安っぽいビニール買物袋が大量に舞い飛ぶラストに至るまで、存分に笑って良い気分になりました。好きです。
次は、イリ・キリアン率いるネザーランド・ダンス・シアターで活躍していた中村恩恵さんが、廣田あつ子さんと組んで踊った『le droit de rêver 夢みる権利』。照明、音楽、投影映像が一体となって夢の中の光景を現出させます。
不幸なことに夢の中の光景を見ているうちに意識が断続的に途切れちゃったらしく、あまり覚えてません。ごめんなさい。配偶者によると「中村恩恵さんの動きが、ものすごく細かくて繊細だった。間近で観てその凄さが分かった。感動した」とのことで、私は悲しい気持ちでいっぱいに。ひょっとして取り返しのつかない失態ですかこれは。
最後はネザーランド・ダンス・シアターつながりなのか、Noismを率いる金森穣さん。奥さんである井関佐和子さんと組んで作ったunit-Cyanによる『trio ~《シアンの告白》より抜粋』です。
これは正直に言って期待ハズレでした。今回の抜粋版を観たかぎりですが、構成も、演出も、舞台装置も、そして動きも、全てにおいて凡庸というか、キレが悪いというか、安全牌に頼っているというか、心に響くものが感じられない舞台でした。半時間、ひたすら金森さんのノロケ話を聞かされたような気分です。家庭を持ったせいで油断が出たのではないか、心配です。もしかしたら、抜粋版ではなく全体を観ると印象が変わるのかも知れませんけど。
というわけで個人的には大満足したとはとても言えないのですが、好企画で気合が入った舞台ではありました。さいたま芸術劇場には『videodance2009』と共にこの企画でこれからもガンガン攻めていってほしいものです。
[演目および出演(2009年09月12日)]
『イキ、シ、タイ』
C/Ompany(大植真太郎、柳本雅寛、平原慎太郎)
『le droit de rêver 夢みる権利』
廣田あつ子、中村恩恵
『trio ~《シアンの告白》より抜粋』
unit-Cyan(金森穣、井関佐和子)
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