『イリ・キリアン ネーデルランド・ダンス・シアター』 [映像(コンテンポラリーダンス)]
現代最高の振付家の一人、イリ・キリアンの作品集。1975年初演の『トルソ』、1978年初演の『詩篇交響曲』、1982年初演の『スワデブカ』、という初期作品の映像が3本収録されています。収録は『スワデブカ』が1984年、その他は1983年です。
キリアンがネザーランド・ダンス・シアターの芸術監督に就任したのは1978年といいますから、まさにこれから振付家として世界的名声を確立してゆくスタート地点とも言うべき作品ばかり。貴重な映像です。
後のキリアン作品のような「観ているだけで慄然として鳥肌がたってくるような凄み」は感じられないのですが、観ていて楽しいバレエ作品です。また、フィルム劣化のせいか画面では少し色あせて見えますが、背景美術や衣装の微妙な色合いなどの美しさはさすがだと思います。
『スワデブカ』と『詩篇交響曲』は群舞が魅力的な作品ですが、個人的にはむしろ男女二人だけで踊る『トルソ』に感銘を受けました。孤独な若い男(たぶん芸術家)がうずくまっている寒々とした部屋、そこに一人の女性が入ってきて、そして展開される愛憎劇。
ローラン・プティの『若者と死』を彷彿とさせる作品ですが、とにかく身体の動きが印象的。一度見たらちょっと忘れられません。特に女性パートを踊ったサビーネ・クップファーベルク(Sabine Kupferberg)の存在感が素晴らしい。ちなみに、彼女は『詩篇交響曲』でも目立っていました。
というわけで、若き日のサビーネのダンスが観られただけでも購入したかいがある一枚。もっとキリアン作品の映像が観たくなります。
キリアンがネザーランド・ダンス・シアターの芸術監督に就任したのは1978年といいますから、まさにこれから振付家として世界的名声を確立してゆくスタート地点とも言うべき作品ばかり。貴重な映像です。
後のキリアン作品のような「観ているだけで慄然として鳥肌がたってくるような凄み」は感じられないのですが、観ていて楽しいバレエ作品です。また、フィルム劣化のせいか画面では少し色あせて見えますが、背景美術や衣装の微妙な色合いなどの美しさはさすがだと思います。
『スワデブカ』と『詩篇交響曲』は群舞が魅力的な作品ですが、個人的にはむしろ男女二人だけで踊る『トルソ』に感銘を受けました。孤独な若い男(たぶん芸術家)がうずくまっている寒々とした部屋、そこに一人の女性が入ってきて、そして展開される愛憎劇。
ローラン・プティの『若者と死』を彷彿とさせる作品ですが、とにかく身体の動きが印象的。一度見たらちょっと忘れられません。特に女性パートを踊ったサビーネ・クップファーベルク(Sabine Kupferberg)の存在感が素晴らしい。ちなみに、彼女は『詩篇交響曲』でも目立っていました。
というわけで、若き日のサビーネのダンスが観られただけでも購入したかいがある一枚。もっとキリアン作品の映像が観たくなります。
タグ:イリ・キリアン
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