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『真夏の夜の夢』(ハインツ・シュペルリ振付、ドイツ歌劇場バレエ) [映像(バレエ)]

 ハインツ・シュペルリが振り付けたモダンバレエ版『真夏の夜の夢』。1994年にライン・ドイツ歌劇場で収録された映像です。

 モダンバレエ版『真夏の夜の夢』のリハーサル中に眠り込んでしまった舞台係。彼の夢の中では、出演者は同じままで、クラシック版『真夏の夜の夢』が上演されている。その夢の中で眠り込んでしまった彼は魔法でロバに変えられてしまい、妖精の女王がそのロバに一目惚れする・・・。

 モダンバレエ版とクラシック版を同じ舞台上で同じ出演者に踊らせるという発想はなかなか面白いと思います。クラシックパートはもちろんメンデルスゾーンの音楽を使っていますが、モダンパートになると現代作曲家フィリップ・グラスの「ヴァイオリン協奏曲」が流れ、音楽は明確に使い分けられています。

 けっこう凝った構成ですが、その割にさほどの効果を上げてないように感じられました。モダンパートの動きに斬新さがなく、かと言ってクラシックパートに格別な風格があるわけでもなく、しかもどちらも似たような動きから構成されており、両者の対比という趣向がうまく機能してないようです。

 前半はそれでも、次々と目まぐるしく入れ代わるダンサー、スピーディな展開、やや自己主張が強いものの工夫をこらしたカメラワーク、といったものでけっこう楽しめますが、後半(魔法の惚れ薬による混乱が解消した後)は、振付が凡庸でめりはりを欠いているせいか、ぐっと退屈になってしまいました。

 結局、個人的に面白かったのは、スピード感あふれる導入部リハーサルシーン、パックの大仰なダンス、そしてロバのコメディ演技でした。


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