『現代アート、超入門!』(藤田令伊) [読書(教養)]
取っつきにくいというか、正直言って何が何だかよく分からない「現代アート」を、美術に詳しくない、実はそんなに興味があるわけでもない、ごく普通の人がそれなりに観賞するための基本を教えてくれる一冊。
「美術を鑑賞するときの心構えとして、まず作品をあるがままに受け止めて自分の感性でどうのこうの・・・」などと役にも立たないお説教で始まって、すぐに小難しい芸術論を振りかざして読者を置いてきぼりにする、そんなよくある「入門書」とは一味違います。
まず具体的な作品を取り上げて、それを初めて見た「フツーの人」が感じるであろう正直な感想を尊重しつつ、そこから一歩踏み出すためのヒントを出してくれるという、非常に親切な構成になっているのです。
カディンスキー=「何が描いてあるのかわからない」
キルヒナー=「上手かどうかわからない」
デュシャン=「そもそも、アートかどうかわからない」
モンドリアン=「値打ちがわからない」
マグリット=「わかったのかわかっていないのか、わからない」
ロスコ=「意味がわからない」
(p.128より)
多くの読者が共感できるであろう素朴な困惑から入ってゆく解説は非常に分かりやすい。そして、その困惑を否定しないまま、平易な文章と親しみやすい語り口で「何となく分かったような気がする」というところまで解説してくれるのです。実にありがたい。
さらに、各章の最後に、その章で取り上げた画家の美術史における位置づけなど短くまとめてあり、現代アートがどのように発展してきたのか、おぼろげながら把握できるようになっています。
「超入門」というだけあって、これ一冊で、とにかく現代アートとの付き合い方が何となくつかめたような気がする、というか少なくとも距離が縮まったように感じます。現代アートなど自分にはわからないし興味もない、と思い込んでいる人にお勧めです。
「美術を鑑賞するときの心構えとして、まず作品をあるがままに受け止めて自分の感性でどうのこうの・・・」などと役にも立たないお説教で始まって、すぐに小難しい芸術論を振りかざして読者を置いてきぼりにする、そんなよくある「入門書」とは一味違います。
まず具体的な作品を取り上げて、それを初めて見た「フツーの人」が感じるであろう正直な感想を尊重しつつ、そこから一歩踏み出すためのヒントを出してくれるという、非常に親切な構成になっているのです。
カディンスキー=「何が描いてあるのかわからない」
キルヒナー=「上手かどうかわからない」
デュシャン=「そもそも、アートかどうかわからない」
モンドリアン=「値打ちがわからない」
マグリット=「わかったのかわかっていないのか、わからない」
ロスコ=「意味がわからない」
(p.128より)
多くの読者が共感できるであろう素朴な困惑から入ってゆく解説は非常に分かりやすい。そして、その困惑を否定しないまま、平易な文章と親しみやすい語り口で「何となく分かったような気がする」というところまで解説してくれるのです。実にありがたい。
さらに、各章の最後に、その章で取り上げた画家の美術史における位置づけなど短くまとめてあり、現代アートがどのように発展してきたのか、おぼろげながら把握できるようになっています。
「超入門」というだけあって、これ一冊で、とにかく現代アートとの付き合い方が何となくつかめたような気がする、というか少なくとも距離が縮まったように感じます。現代アートなど自分にはわからないし興味もない、と思い込んでいる人にお勧めです。
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