『ピタゴラ装置ＤＶＤブック(1)』

　アルゴリズムたいそう、アルゴリズムこうしん、等で有名なＮＨＫ教育テレビ『ピタゴラスイッチ』。そのシンボル的存在、ピタゴラ装置の映像集です。33個のピタゴラ装置が次々に作動するわけで、これは凄い。

　ピタゴラ装置というのは、その昔、寺島令子さんのイラスト入りパッケージで話題になったソフト「インクレディブル・マシーン」のリアル版。

　そんな説明ではちっとも分からない人は、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか『グーニーズ』とか、あと『ウォレスとグルミット』シリーズには必ず出てくる、色々なガジェットを組み合わせてわざと回りくどいメカニズムで動作させる目覚ましメカというか、そういうものを想像して下さい。

　ビーダマのようなものがレールを転がり出し、途中でシーソーやらテコやら回転板やら磁石やら様々なガジェットを作動させてゆき、最後に「ピタゴラスイッチ」と書いた紙が表示される、という仕掛けです。ありふれた家庭用品・事務用品だけを組み合わせて作ってあるのがポイント。

　いやー懐かしい。私も、子供の頃にこういうものばかり作って喜んでました。ちなみに私の設計したメカは、必ず初期動力が10円玉でした。子供心に“10円入れると動く”という設計思想を大切にしていたようです。

　映像収録時間19分、価格2940円。この価格にはびっくりしましたが、確かに3000円近く払う価値はあります。何と言っても本当に楽しい。

　冊子には、「テイク30も超えるとスタジオ内にかなりの緊迫感が走ります。テイク50を超えると、怒りを含んだ空気がスタジオに充満します。一触即発の胃が痛くなるような失敗が続く時間が流れます。テイク70を超えると、緊迫感を通り過ぎ、到達点のないあきらめと嘲笑めいたものまでがかすかに生まれてきます」なんて書いてあって、うわーっ、やっぱり何度も何度も成功するまで撮影してるんだ、と当たり前のことに感心したり。

　いや本当に家族全員で楽しめる映像です。ぜひお子様に見せてあげて下さい。早く２巻が出ないかなあ。

タグ：ピタゴラスイッチ