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『だいにっほん、おんたこめいわく史』(笙野頼子) [読書(小説・詩)]

 “オタクどもを斬って斬って斬りまくる痛快罵倒小説”みたいな紹介をされていて、それは面白そうだと思って読んでみました。

 ひっくり返った!

 凄まじい傑作!!

 声に出して読みたいけどやらない方がいい日本語!!!

 面白いとか痛快とかそういうレベルを越えて、もう中毒しそうです。気がつくと、ついつい何度も何度も同じページを読み返していたりして、この文章の見事さときたら、いったい何なんでしょうか。

 前半のハイテンションで過剰なまでの饒舌っぷりに比べて、ゆったりした調子で書かれた後半はやや読みにくい、というかはっきり言って何が書いてあるのかよく分からないのですが、それもまた良しです。ふっふーんっ。

 読み終えて興奮して配偶者に「笙野頼子さんってすごい作家がいたよ」と話したら、芥川賞作家をつかまえて何を今さら、とせせら笑われました。

 配偶者の話では、笙野頼子と言えば“戦う純文学者”として有名なんだそうです。まるで筒井康隆みたいだねと言うと、筒井康隆が面白いというのと同じくらい“今さら”な話題を振ったのはあんただと指摘され、しょんぼり。

 気を取りなおしてアマゾンで“笙野頼子”を検索して見ると、40冊以上の著作がヒットしました。紹介をつらつら眺めてみると、なななな、何と、タコグルメもウラミズモもS倉も、ついでにおんたこも、全て過去の作品に登場するキーワードだったのですか。一冊だけ読んでも意味が分からないのは当然なんですか。

 一瞬迷ったものの、「文学に意味はないというお前に意味はない。オレが文学だ。オレこそが「批評」だ。純文学作家、笙野頼子」という“著者からのメッセージ”を読んで、とりあえず10冊ほどカートに放り込んで注文してしまいました。

タグ:笙野頼子
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