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『クラリモンド』(大島早紀子、森山開次、熊谷和徳) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 夫婦で池袋サンシャイン劇場まで行って観てきました。ダンスミュージカル『クラリモンド』。

 最初に言っておきますが、これは傑作です。DVD化が決定したそうなので、出たら観てあげて下さい。

 演劇方面に興味ある方は、ヒロインを演じた安寿ミラ(宝塚出身)や演出の栗田芳宏に期待して劇場に足を運んだのでしょう。

 が、ダンスファンである私たちのお目当ては、もちろん大島早紀子(H・アール・カオス)の振り付けで踊る森山開次(へんないきもの)。

 はたして大島さんは森山開次をどのように仕込んだのか、期待が高まります。あと、タップダンスの熊谷和徳との共演も、私たちの知る限り初めて。これはダンス公演としても見逃せません。

 舞台の雰囲気ですが、H・アール・カオスまんま。つまり、妖しげで、背徳的で、ちょいヤバいもんを見てしまった感です。

 ミュージカルとしては90分と短いんですが、息を抜けるシーンは一つもなく、緊迫感が途切れることなく続きます。引き込まれて疲労困憊した軟弱な私など、帰宅してすぐ寝込んでしまったほど。

 森山開次さんは、普段の舞台では余裕たっぷりというか「何となく心のおもむくままに動いています。故郷の森ではいつもこうしていました(へんないきもの談)」という感じで踊っていますが、今回の振り付けは彼にとってもギリギリの難易度らしく、真剣な雰囲気で踊っていました。プロのダンサーとしての森山開次を初めて観たような気がします。

 振り付けですが、「そりゃ白河直子でないと無理だろう」というような無茶な動きをバシバシやらせています。飛び込みリフトの後そのまま床に投げ落されるなんてのは序の口で、さすがにワイヤーは使わなかったものの、逆さ吊り、超高速ピルエット、常にオフバランスでの連続ジャンプなど、いやー、大島さんも「森山開次はイジメがいがある」と思ったんでしょうなあ。

 しかし、一番目立ってたのは、タップダンスの熊谷和徳さん。出番はほとんどがソロで、観客全員の注目を集めて激しいタップダンスを繰り広げます。目茶苦茶かっこいい。激しく扉が叩かれるシーンで熊谷さんのタップが音響効果になるなど、演劇とタップダンスの融合がうまい。

 安寿ミラのカリスマ性、一瞬たりとも緊迫感が途切れない演出、盛り上がる音楽と歌、激しく打ち鳴らされるピアノなど、(主役の貴水博之さんが大ヘタレなのを除けば)傑出した舞台でした。DVDで色々と再確認するのが今から楽しみです。

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